英国ロンドン〜スコットランドに「LCC高速列車」 車両は日立製 3,850円で4時間半の旅

イギリスの首都ロンドンとスコットランドを結ぶ新たな鉄道運行会社「ルモ(Lumo)」が2021年11月25日(木)に営業運転を開始しました。

エディンバラ・ウェイバリー駅に停車中のルモ クラス803電車(MrBoyt/Wikipedia, CC BY-SA 4.0)
エディンバラ・ウェイバリー駅に停車中のルモ クラス803電車(MrBoyt/Wikipedia, CC BY-SA 4.0)

ルモは、英国内で広く鉄道・バス事業を営むファーストグループが新たに立ち上げたブランドです。斬新な考えと革新の意味を込めた光度(Luminosity)の”Lu”と、旅行の基本である動き(Motion)の”mo”を組み合わせたとのことです。

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英国では、全土の鉄道施設のインフラを政府系組織「ネットワーク・レール(Network Rail)」が所有しており、地域ごとにフランチャイズ方式で運行会社を割り当てる上下分離方式がとられています。ルモはフランチャイズの制度とは関係なく、定められた条件の範囲内で運行枠のみを取得する「オープンアクセス」方式で鉄道運営に参入しました。

ルモがサービスを提供するのは、ロンドン・キングス・クロス(London Kings Cross)駅からイングランド北東部のニューカッスル(Newcastle)駅を経てスコットランド南東部のエディンバラ・ウェイバリー(Edinburgh Waverley)駅を結ぶ、東海岸線経由の632kmのルートです。運行開始当初は1日最大2往復、12月12日(日)からは最大3往復のダイヤが組まれています。最高速度200km/hの高速運行が行われ、全区間の所要時間は平均約4時間30分です(運転時刻と路線図は下図を参照)。

同じ区間ではフランチャイズ運行会社「ロンドン・ノース・イースタン・レールウェイ(LNER)」が従来から約30分間隔で長距離列車を運行していますが、ルモは「鉄道版LCC」とも言える低価格を武器に参入します。「運賃の60%を30ユーロ(約3,850円)で提供する」を合言葉に紙のきっぷを使用せず、すべてのサービスをオンライン予約・キャッシュレス決済に限定するなど合理化が進められています。

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車両は日立製作所の英国内工場でつくられたAT300シリーズの最新鋭「クラス803」が導入されました。LNERが運行する同じく日立製の「クラス801」(愛称「AZUMA」)にはファーストクラスが連結されていますが、ルモが提供する座席はスタンダードクラスのみです。人間工学に基づいたシート形状、無料Wi-Fiや電源、車内で楽しめる映画などの映像コンテンツ、モバイルアプリでの食事オーダーシステムなど、誰でも利用できる基本サービスを充実することで差別化が図られています。

ロンドン〜エディンバラ間は航空移動が主流で、利用客数は英国の国内線全体の50%以上を占めているとのことです。ルモは、「飛行機より6倍環境に優しい」鉄道旅行の持続可能性をアピールし、環境配慮型の移動手段として航空旅客の獲得を目指しています。

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