日ハム新球場「エスコンフィールド」4割がJR利用 北広島駅改修+臨時列車で混雑緩和へ

JR北海道は、プロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地となる北広島市の新たな球場が2023年3月にオープンすることを受け、鉄道による観客輸送の計画を発表しました。

「快速エアポート」などで運行しているJR北海道733系電車(ふくろうぼうや/写真AC)
「快速エアポート」などで運行しているJR北海道733系電車(ふくろうぼうや/写真AC)

ナイトゲーム時は臨時快速6本

最寄駅の千歳線北広島駅から北東約1.5kmに位置する新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」は、球団が北海道の新たなシンボルとして開発を主導している「北海道ボールパークFビレッジ」の中核施設です。球場の完成は間近で、2023年3月14日(火)の対埼玉西武ライオンズ戦を皮切りに、オープン戦7試合が行われることも発表されています。

北広島市の試算によると、新球場に満員となる35,000人の入場があった場合、来場者の39%にあたる13,500人が鉄道を利用すると予想されています。このうち11,500人は札幌方面の利用と見込まれており、特にナイトゲーム開催日は帰りの時間帯に多くの利用客が集中するため、JR北海道は2023年3月18日(土)のダイヤ改正を機に輸送体制を整えます。

具体的には、ナイトゲーム開催日は21時以降の時間帯に、北広島駅始発となる札幌駅行の臨時快速列車を6本運転します。うち5本は運転時刻が固定されており、もう1本は試合終了時刻に合わせて運行されます。また、北広島駅に停車する「快速エアポート」と併せ、速達タイプの「特別快速エアポート」についても、ナイトゲーム開催日は札幌駅行の2本が北広島駅に臨時停車します。そのほか、輸送力確保のため、北広島駅を20時以降に発車する札幌駅方面行の普通列車はすべて6両編成で運転されます(ナイトゲーム開催日のお帰り時刻表、新球場の周辺路線図など詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】JR北海道 「北海道ボールパークFビレッジ」への鉄道アクセス計画を発表

ホーム延伸でスムーズに乗車

混雑が想定される北広島駅では設備改修も実施されます。札幌方面行の3・4番線ホームを約4両分延伸する工事が行われ、試合終了後の時間帯に4番線を発着する列車の停車位置が変更されます。同駅では、3番線に到着する札幌方面行の普通列車が待ち合わせのため停車し、4番線に後から到着する快速列車が先に発車するダイヤが多く組まれています。両列車の停車位置をずらすことにより、快速列車の到着を待つ利用者の整列場所と、普通列車の乗車口をホーム上で分離するスペースが生まれ、乗客を早いタイミングでホームへ案内することができるようになります。

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また、北広島駅のコンコースと各ホームを結ぶエレベーターには改札口がなく、従来は駅係員を呼び出す必要がありました。今回、エレベーターの手前に自動改札機が設置され、エレベーターをスムーズに利用できるようになります。加えて、改札には幅の広い車いす対応通路も設けられるため、バリアフリー面での機能も向上します。

ホーム延伸部とエレベーター改札口は、2022年12月25日(日)から使用が開始されます。

JR北海道は、試合開催日は行き帰りとも駅や列車の混雑が予想されるため、帰りの乗車券、指定席券の購入、「Kitaca」など交通系ICカードのチャージは事前に済ませるよう呼びかけます。帰りの時間帯は駅隣接の市施設「エルフィンパーク」内に整列し、係員の案内誘導により改札内に順次、入場する対応が取られます。乗車までに通常より時間がかかることが見込まれるため、特にナイトゲーム観戦の際は最終列車の時刻にも注意する必要があります。