30年選手のJR四国8000系 新車並みリニューアル 座席はコンセント付き トイレ洋式化も

JR四国は、予讃線の特急「しおかぜ」「いしづち」などで運行している8000系特急形電車の改装工事に着手し、デザインや座席を一新するほか、バリアフリー設備の充実、トイレの洋式化など快適性を向上させます。

予讃線の特急「しおかぜ」「いしづち」などで運行しているJR四国8000系電車(ninochan555/写真AC)
予讃線の特急「しおかぜ」「いしづち」などで運行しているJR四国8000系電車(ninochan555/写真AC)

外装デザインは“縦”から“横”へ

8000系は、予讃線の電化に合わせて開発された同社初の特急電車で、1992年(平成4年)に最初の編成の運用が開始しました。2004年(平成16年)にも内外装のリニューアル工事が行われていますが、登場から30年を経過するのを機に2度目の大規模リニューアル実施となります。安全・安定輸送の確保のため老朽化した電子機器などの更新が行われるほか、デザインや客室設備も大改良されます。

現在の8000系の外装デザインは、グラデーションが付いた縦ラインが側面扉部分にあしらわれており、グリーン車・指定席などの座席種別によって配色が異なる点が特徴的です。第2次リニューアル後は「より特急らしいスピード感やスマートさを感じて」もらえるよう、流線型の先頭からオレンジ色のラインが流れる水平基調のデザインへと改められます。

登場時の車両コンセプト「瀬戸の疾風」をさらに進化させたものとしており、8両の長い編成を際立たせる効果もあって大きくイメージが変わりそうです。オレンジは瀬戸内の温暖な気候や愛媛の柑橘を連想させる色で、香川のオリーブをイメージしたグリーン帯が窓下にアクセントとして加えられます。

このカラーリングは、「しおかぜ」「いしづち」同じく使用されている2014年(平成26年)デビューの8600系電車と共通です。色彩デザインが揃うことにより、岡山・高松から松山へ向かう特急列車であることが明確化されます(8000系リニューアル車両の内外装デザイン、車椅子フリースペース、座席レイアウトなど詳細は下の図表を参照)。

【図表で解説】8000系リニューアル車両の内外装デザイン、車椅子フリースペース、座席レイアウト

JR四国初の「車椅子フリースペース」も

8000系をこれからも快適に利用できるよう、客室にも新型車両と遜色のない設備が投入されます。インテリアにはLED間接照明が採用され、天井面だけでなく頭上の荷物棚面も照射し、室内全体が明るく開放的に感じられる演出が施されます。

座席も全面的に取り替えられ、グリーン席は電動リクライニングやフットレスト、読書灯を備えたハイグレードな座席へと進化します。座席のモケットデザインは沿線の豊かで穏やかな自然が表されており、グリーン席が「四国の芳醇なめぐみ」、指定席と自由席は光きらめく「柑橘」と「瀬戸内の海」がモチーフとなっています。

また、8000系では初めてとなる電源コンセントがグリーン席と普通車指定席の全座席のほか、自由席の各壁側にも設けられ、移動時間の利便性が向上します。

車椅子を利用する方がグループで乗車できるよう、JR四国では初めてとなる、3台まで乗車可能な「車椅子フリースペース」が5号車に設けられます。また、編成中2箇所に残っていた和式トイレは改良され、すべて洋式トイレに統一されます。

最初のリニューアル編成の運行開始は、主に高松駅発着の「いしづち」に使用される3両(S編成)が2023年12月、岡山駅発着「しおかぜ」で使用される5両編成(L編成)は2024年8月からの予定です。定期検査での多度津工場の入場に合わせて年に2〜3編成の工事が行われ、2027年度にはすべての8000系へのリニューアル工事が完了する見込みです。

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