「夏の大洗ひたちなか号」首都圏4方面に拡大 “相馬野馬追”や川越直通など臨時列車多数

JR東日本は2023年夏の臨時列車として、茨城県大洗・ひたちなかエリアへの日帰り旅行に便利な特急列車を首都圏4方面から運転するほか、水郡線ではトロッコ車両を使用した快速列車を設定します。

常磐エリアを中心に臨時列車として主に運行しているJR東日本E653系電車(まさきM/写真AC)
常磐エリアを中心に臨時列車として主に運行しているJR東日本E653系電車(まさきM/写真AC)

“緑のコキア”見にひたちなかへ

ひたちなか市にある国営ひたち海浜公園といえば、秋に「みはらしの丘」を真っ赤に染め上げるコキアが有名ですが、夏の日差しを浴びる爽やかな緑色のコキアも魅力的です。この感動的な風景をつくるため、毎年6月中〜下旬のちょうど今頃、公園職員や市民の手により約3万3千本のコキアの苗がきれいな等間隔に植え付けられています。

「アクアワールド茨城県大洗水族館」などがある大洗町を含め、夏休みの思い出作りが期待できるこのエリアへ向けて、直通の臨時特急「夏の大洗ひたちなか号」が関東各地から設定されます。1日あたり1往復、計4日間の運転で、2023年7月29日(土)は昨年に続き、八王子駅発着で武蔵野線・常磐線を経由し、水戸駅・勝田駅まで運転します。

残り3日間は初設定のルートで、7月30日(日)は蘇我駅から京葉線・武蔵野線経由、8月5日(土)は大宮駅から武蔵野線経由、8月6日(日)は大船駅から東海道線経由でそれぞれ水戸駅・勝田駅まで往復します。いずれも勝田駅には10時台に到着、16時台に発車するダイヤ設定で、日帰り旅行に最適です。使用車両はE653系の7両編成で、全車指定席のため乗車券のほかに指定席特急券の購入が必要です。

福島県南相馬市で3日間にわたって行われる「相馬野馬追(そうまのまおい)」は、甲冑(かっちゅう)に身を固めた約400騎の騎馬武者が疾走する、迫力ある夏の祭典です。この地を治めた相馬氏の遠い祖先である平将門が野馬を敵兵に見立て、軍事演習を行っていたことがルーツとされています。千年以上の歴史を経て神事として伝承されているもので、国の重要無形民俗文化財に指定されています。

最も盛り上がる「本祭り」が開催される7月30日(日)には、上野駅6:10発の臨時特急「ひたち91号(相馬野馬追号)」が運転されます。祭場の最寄り駅、原ノ町駅には9:28に到着し、定期列車「ひたち3号」よりも2時間程度早くアクセスすることができます。また、お帰り時間帯には原ノ町駅15:23発の「ひたち92号(相馬野馬追号)」(上野駅19:26着)も設定されます。

(臨時特急「夏の大洗ひたちなか号」「相馬野馬追号」「小江戸川越の風」の運転時刻など詳細は下の図表を参照)

【時刻表で解説】臨時特急「夏の大洗ひたちなか号」「相馬野馬追号」「小江戸川越の風」の運転時刻

“窓なし”トロッコ列車が奥久慈へいざなう

茨城県のもう一つの“花の名所”、「いばらきフラワーパーク」(石岡市)はご存じでしょうか。四季の花々を鑑賞できるのはもちろん、園内の植物を使ったピローミストづくりや花摘み体験など、充実したアクティビティを前面に押し出しているのが特徴です。この夏は8月19日(土)に最寄りの石岡駅まで、宇都宮駅から直通で行ける臨時特急「夏のいばらきフラワー号」がこの夏初めて運転されます。

初登場となる臨時列車としてはそのほか、歴史ある温泉や街並みが点在する福島県いわきエリアへの1泊2日の旅に便利な臨時特急「フラッといわき巡り号」が、高尾駅発着で9月2日(土)・3日(日)に運転されます。また、江戸時代の雰囲気を残す街並みで夏の風情を楽しめる埼玉県川越エリアへは、日立駅から直通運転する臨時特急「小江戸川越の風」が7月15日(土)に1往復運転します。

水郡線の水戸駅〜常陸大子駅間では、窓を外して風が吹き抜けるトロッコ車両「びゅうコースター風っこ」を使用した臨時快速「風っこ奥久慈号」が今年も運転します。8月26日(土)・27日(日)の両日とも同区間を1往復するダイヤで、久慈川のせせらぎや奥久慈の風を受けながら片道約2時間、田園や里山といった日本の原風景を車窓いっぱいから堪能できそうです。

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