快速「エアポート」毎時6本に増発 停車駅は3種 インバウンド増加続く 普通列車は“分断”

JR北海道の綿貫泰之社長は、2024年春のダイヤ改正で快速「エアポート」を増発し、新千歳空港のアクセス輸送を強化することを定例会見で明らかにしました。

新千歳空港駅と札幌駅方面とを結ぶ快速「エアポート」などで運行しているJR北海道733系電車(中村 昌寛/写真AC)
新千歳空港駅と札幌駅方面とを結ぶ快速「エアポート」などで運行しているJR北海道733系電車(中村 昌寛/写真AC)

「エアポート」は特別快速・快速・区間快速に細分化

インバウンド旅行者の需要回復などにより今後も利用増加が見込めるためとしています。現在は1時間あたり5本ある日中時間帯の運転本数を1本増やし、毎時6本の「エアポート」が新千歳空港駅と札幌駅を結ぶ体制とします。

増発した毎時1本は、停車駅の少ない「特別快速」として空港アクセスの速達化が図られます。現在は毎時2本の快速「エアポート」が小樽駅〜新千歳空港駅間を直通運転していますが、ダイヤ改正後は特別快速・快速各1本が小樽駅方面へ向かいます。

また、「エアポート」のうち毎時2本は、今回新たに設定される種別「区間快速」となります。北広島駅〜新千歳空港駅間の各駅に停車し、現在は快速が止まらない島内駅、恵み野駅、サッポロビール庭園駅、長都駅から新千歳空港駅まで乗り換えなしで移動できるようになります。

(日中時間帯の快速「エアポート」の停車駅パターン、運転本数の改正前後比較など詳細は下の図表を参照)

【図表で解説】日中時間帯の快速「エアポート」の停車駅パターン、運転本数の改正前後比較

札幌駅の“一つ隣”が大躍進

現在、日中時間帯の普通列車は札幌駅〜千歳駅・苫小牧駅間で運転していますが、新ダイヤでは北広島駅〜千歳駅間が区間快速に置き換えられます。毎時2本の普通列車は北広島駅始発・終着となり、札幌駅方面に折り返し運転を行います。

千歳駅〜苫小牧駅間については、東室蘭駅方面からの普通列車が千歳駅まで乗り入れることで運転本数が確保されます。この区間は3両編成を基本とした札幌近郊の車両ではなく、室蘭本線で運用されている2両編成の新型737系電車を使用することが見込まれます。

一方で、札幌駅から函館本線・札沼線(学園都市線)で一つ目の桑園駅は、近隣に住宅街や商業施設、病院などが充実しており、利用者数の増加傾向が続いています。現在は普通列車のみが停車する駅ですが、ダイヤ改正後は終日の特別快速・快速「エアポート」に加え、朝夕1往復運転の快速「ニセコライナー」もすべて桑園駅に停車し、利便性が大きく向上します。

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