東京駅〜有明「都心・臨海地下鉄新線」計画が加速 「りんかい線」の会社が営業主体に

東京都が構想している「都心部・臨海地域地下鉄」の整備について、「りんかい線」を運営する東京臨海高速鉄道(TWR)が営業主体として事業計画の検討に加わることで都と合意しました。

りんかい線、JR埼京線・川越線で運行している東京臨海高速鉄道70-000形電車(Katsumi/TOKYO STUDIO)
りんかい線、JR埼京線・川越線で運行している東京臨海高速鉄道70-000形電車(Katsumi/TOKYO STUDIO)

東京駅からビッグサイトまで直通10分

臨海地域への地下鉄新線を最初に提案したのは中央区です。勝どき・晴海エリアなどで人口増加が続き、築地市場跡地の大規模開発も計画されている中、交通需要の大幅増加への打開策として2014年(平成26年)度から調査・検討が開始しました。東京駅から臨海副都心の有明までを結ぶ約6.5kmの路線で、現在は乗り換えが必要で20分以上かかる同区間を約10分で直結する構想です。

2016年(平成28年)4月に開かれた国の交通政策審議会では国際競争力の強化につながる鉄道プロジェクトとして位置づけられたものの、事業性への課題を指摘されました。つくばエクスプレス(TX)の秋葉原駅〜東京駅間の延伸と一体で整備して直通運転することで事業性の確保が図れるともされ、事業主体を含めた計画を関係自治体で十分に検討すべきと国土交通大臣への答申に掲げられました。

その後、2021年4月の同審議会では期待値が上がり、答申に「世界から人、企業、投資を呼び込み、東京と日本の持続的成長を牽引する臨海部と区部中心部をつなぐ基幹的な交通基盤」であると明記されました。背景には、進展しているさまざまな開発計画や、都が示した将来の都市像などで臨海部の存在感が高まっていることがあり、都は答申を受けて同年9月に事業計画の検討会を設置しました。

都が2022年11月にまとめた事業計画案では、新幹線や在来線が集結する大規模ターミナルの東京駅を起点とし、りんかい線やゆりかもめと接続する有明・東京ビッグサイト駅までのルートが想定されています。既存路線との乗り換えや開発計画との連携、鉄道空白地帯の解消を念頭に途中、5つの新駅(新銀座駅、新築地駅、勝どき駅、晴海駅、豊洲市場駅)を設置します(駅名はすべて仮称)。

都はまず、都心・臨海間の単独整備を前提に事業計画を進め、国の答申で示されたTX延伸との接続については将来の検討課題とする方針です。概算事業費は約4200〜5100億円で、30年以内に累積資金の収支が黒字に転換することが想定されています。

(都心・臨海地下鉄新線のルート図、つくば・羽田空港方面との接続構想、検討の経緯など詳細は下の図表を参照)

【路線図で解説】都心・臨海地下鉄新線のルート図、つくば・羽田空港方面との接続構想、検討の経緯

将来はつくばエクスプレス・羽田空港とも接続

ところで、都内の地下鉄ネットワークの大多数は東京メトロが担っていますが、株式上場による完全民営化に向け準備する中、自社ネットワークとの関連性が乏しいことを理由に当初から臨海地下鉄への参画に消極的でした。そこで事業主体の候補に上がったのが、1996年(平成8年)からりんかい線を営業しており、株式の約91%を都が保有する第三セクターのTWRです。

JR東日本が主体の「羽田空港アクセス線」プロジェクトには、羽田空港からりんかい線を経由して房総方面まで乗り換えなしで結ぶ「臨海部ルート」の計画も含まれています。これが進展すると将来的に羽田空港への接続も可能となり、臨海部やつくば国際戦略総合特区を含めた首都圏の国際競争力がより強固なものになると都は期待しています。

営業主体となることに合意したTWRは「さまざまな可能性に満ちた沿線エリアの更なる発展のため、今後とも着実な業務運営に努め、地域への貢献を目指してまいります」とコメントしています。また、都は独立行政法人の鉄道・運輸機構(JRTT)に整備主体として参画してもらい、事業化に向け検討を加速していくことも合わせて明らかにしました。

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