鉄道友の会は、国内の優秀な鉄道車両を表彰する2025年「ブルーリボン賞」「ローレル賞」を2025年5月22日(木)に発表しました。
同会は全国の鉄道愛好者約3,000名からなる団体で、日本の鉄道車両の進歩と発展に寄与する目的で1958年からブルーリボン賞、1961年からローレル賞を毎年選定しています。今回の候補は2024年中に営業運転を開始した11形式の新型車両で、会員の投票結果をもとに、鉄道車両に精通する9名の選考委員が審議して決定しました。
最優秀車両ブルーリボン賞には、JR西日本が岡山県から鳥取・島根県までを結ぶ特急「やくも」として運行している「273系」です。経年40年を超えた381系の後継車両として開発され、乗り心地向上のため、曲線通過時にを最適なタイミングで車体を傾斜させる新開発の「車上制御付き自然振り子方式」を採用しています。
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デザイナーの川西康之さんは、JR西日本社員を交えたワークショップでニーズを汲み取り、沿線の自然や歴史・文化を反映させたオリジナル色「やくもブロンズ」をまとう独自性の高い外観に仕上げました。関係社員の家族からの意見も踏まえ、子ども連れでも使いやすいセミコンパートメントやフリースペースが新たに設けられています。先進の機器構成とデザイン性が高く評価された273系は、他の候補車両を大きく上回る会員からの投票数を得ての受賞となりました。
優秀車両ローレル賞に選ばれたのは2形式です。近畿日本鉄道の新型一般車両「8A系」は、従来車両との併結運転も可能な汎用性を持ち、ベビーカーや大型荷物などのニーズに対応する1人掛け座席「やさしば」など客室レベルの高さも評価ポイントとなりました。福岡市交通局「4000系」は、海側眺望を楽しめる大型窓付きフリースペースなどの快適設備、世界最高レベルの省エネ性能を持つ高効率モーターなどの最新技術を備え、シンプルな機能美を持つ次世代の地下鉄車両と評されました。