JR九州は2024年3月16日(土)にダイヤ改正を実施し、利用者数が回復してきている福岡地区で快速・普通列車の増発や運転区間延長、編成両数の増強などを行って混雑緩和を図ります。
博多駅の利用状況はコロナ前まで“ほぼ回復”
JR九州がまとめた2023年10〜11月の平日における博多駅の利用状況によると、コロナ前の2019年同月と比較して朝通勤時間帯は5%減、日中時間帯は2%減などとなっています。深夜時間帯の利用は22%減で依然として低水準ですが、その他の時間帯ではコロナ前の流動量がおおむね回復しています。
この傾向を受け、2023年6月1日から平日の朝通勤ピーク時、鹿児島本線で福間駅発・南福岡駅行の快速列車と、南福岡駅発・吉塚駅行の普通列車が臨時列車としてそれぞれ増発されています。今改正ではこの2本が毎日運転の定期列車に昇格し、普通列車は運転区間が福間駅まで延長されます。朝ピーク時の鹿児島本線では2023年3月ダイヤ改正と比べ、定員ベースで8%の輸送力増強が図られます。
また、福北ゆたか線では朝8時台に長者原駅を始発とする博多駅行の普通列車が増発されます。この列車には宇美駅発の香椎線から乗り換えることができ、通勤・通学の混雑緩和が期待できます。
(JR九州2024年3月ダイヤ改正での普通列車の変更点、鹿児島本線の日中運転パターン比較など詳細は下の図表を参照)
「快速廃止」から1年半で利便性やや戻る
鹿児島本線では日中時間帯、毎時2本運転している区間快速列車のうち1本について、快速区間に福間駅〜折尾駅間と鳥栖駅〜羽犬塚駅間が追加されます。2022年9月のダイヤ改正で日中の快速列車廃止という大なたが振るわれた同線ですが、今改正から北九州方面や筑後方面での通過運転が再開し、地区をまたいだ利用の速達性が向上します。
加えて、日中に博多駅方面から海老津駅まで運転している普通列車について、運転区間が折尾駅まで延長します。折尾駅では福北ゆたか線に直通する小倉駅〜直方駅間の列車に接続がとられ、福間・宗像地区と北九州地区相互間の乗車機会が確保されます。
また、夕通勤時の鹿児島本線は上り方面で、大牟田駅17時台発の区間快速と荒木駅18時台発の快速を統合した荒尾駅発・門司港駅行の快速列車が新設され、筑後地区から博多駅方面への乗り換えが不要になります。下り方面では博多駅19時台発の羽犬塚駅行の快速が荒尾駅まで延長されます。
深夜帯では、鹿児島本線と福北ゆたか線の上り最終列車について、混雑緩和のため編成両数がそれぞれ増強されます。一方、鹿児島本線の下り荒木駅行の最終列車は行先が久留米駅行に短縮し、久留米駅から荒木駅間の最終時刻は約30分繰り上がります。日豊本線の中津駅からの小倉駅行最終列車は時刻が5分繰り上がりますが、小倉駅では鹿児島本線の門司港駅行に新たに接続可能となります。
長崎本線では、前後の運転間隔が大きい22時台に江北駅発・肥前鹿島駅行の普通列車が1本増発されます。この列車は2023年12月20日(水)から臨時列車として運転されており、上下両方向の特急列車から同一ホームで乗り換えることができます。そのほか、熊本地区の鹿児島本線・豊肥本線は通勤・通学時間帯の運転本数に変更はないものの、一部列車で編成両数を増やして混雑緩和が図られます。
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