「海と山」結ぶ新型車両のデザイン決定 富山の自然と一体感 三セクに移行する城端線・氷見線の再生シンボルに

富山県のローカル線、城端線・氷見線の再生について話し合う沿線自治体らによる会議で、導入する新型車両のデザインが決まりました。

国から鉄道事業再構築の認定を受けた両線は、2029年頃を目処に事業主体が現在のJR西日本から第三セクターのあいの風とやま鉄道に移行します。これに先立ち、環境性能や乗り心地、速達性に優れたハイブリッド式気動車を新しく製造し、現在運行しているキハ40・47系を置き換えることが決まっています。

県と沿線にある高岡・氷見・砺波・南砺の4市らが参加する再構築会議は、検討していた新型車両のデザインについて、デザイナーの鈴木啓太さんによるデザインを2025年5月16日(金)の会議で採択しました。伝統と未来、海と山、日常と観光といった重なり合う要素を「KASANE」というコンセプトに込め、車両の内外装やシンボルマークで表現しています。

車両前面は立体感のある斬新なデザインで、海と山を結ぶ路線を象徴し、沿線の自然風景になじむ青と緑の大きなグラデーションが側面を彩ります。車内の天井や床には明るく温かみのある木目が多用され、車窓に広がる豊かな緑を座席の色に取り入れることで、車内外の一体感が演出されています。乗降扉の窓に丸窓が採用されている点もユニークです。

鈴木さんはプロダクトデザイナーとして幅広い分野で活動しており、鉄道車両ではローレル賞を受賞した相模鉄道(相鉄)の新型車両20000系などの実績があります。鈴木さんについて会議の選考チームは、城端線・氷見線沿線の歴史や自然風土をシンボリックに捉え、斬新で飽きのこないデザインであると高く評価し、今後の活躍に期待しています。

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