JR九州は、2021年3月13日(土)に実施するダイヤ見直しにより、九州新幹線と在来線特急の列車本数を計43本削減すると発表しました。(普通列車の見直し内容はこちらの記事をご覧ください)。
九州新幹線の平日1日あたりの運転本数は現行ダイヤでは121本ですが、見直し後は107本となります(14本減)。また、在来線特急列車は現行の272本から243本に見直されます(29本減)。この記事では、新幹線と特急列車の本数見直しの内容を中心に分析していきます。
九州新幹線は各駅停車「つばめ」中心に削減
九州新幹線では、山陽新幹線と直通運転する列車の本数は変わらない一方で、博多駅〜熊本駅間で列車の削減が行われます。
博多駅〜熊本駅(一部は筑後船小屋駅)間で各駅に停車する「つばめ」12本が運転取り止めとなり、1本は平日のみの運転に変更されます。また、博多駅〜鹿児島中央駅間で主要駅に停車する「さくら」2本も取り止められます。
これに伴い、廃止される「つばめ」の穴を埋めるかたちで、近い時刻の「さくら」2本が各駅停車の「つばめ」に変更されます。また、鹿児島中央駅発着の「さくら」の削減を救済するため、博多駅〜熊本駅間運転の「つばめ」2本が鹿児島中央駅まで延長運転されます。
しかしながら、純粋に本数減となる時間帯も発生します。特に影響が大きいのが、下り「つばめ」319号(博多駅10:57発)、上り「つばめ」316号(博多駅10:30着)の廃止です。この前後の「つばめ」は、運転間隔が約2時間開いてしまうことになります。
また、現行ダイヤにおいて夕方以降の時間帯は「つばめ」が1時間あたり2本運転されていますが、見直し以降は一部を除いて日中時間帯と同様、1時間に1本の頻度になります。JR九州は、博多駅〜熊本駅間の利用者数はコロナ前と比べて35%減少しており、需要に合わせた本数の見直しであると説明しています。
日中の博多〜大分間「ソニック」が半減
日豊本線では一部の直通列車を除き、大分駅および宮崎駅を境に別系統の特急列車が運行されており、いずれの区間もダイヤ見直しの対象となっています。
博多駅〜大分駅間は特急「ソニック」が1日を通して約30分間隔という高頻度で運転される区間ですが、3月13日(土)以降は日中時間帯が1時間おきへと後退します。定期列車から臨時列車に変更されるのは、大分駅11〜16時台に発着する停車駅が少ないタイプの12本の列車(2020年11月1日から運休している10本を含む)です。これらは、多客が見込まれる日のみ運転されるようになります。
「ソニック」の利用状況はコロナ以前と比べて40%減少しているとのことで、高速バスに対抗し得る30分ヘッドの運行は諦めざるをえなかったようです。沿線の別府温泉をはじめとする観光需要の冷え込みが響いていると思われますが、ビジネス往来も多いだけに、利便性の低下が懸念されます。
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