新型コロナでインバウンド客来ず 実験1年延長 南海「Visaのタッチ決済」さらに検証へ

南海電気鉄道は、「Visaのタッチ決済による入出場の実証実験」の期間を2022年12月11日(日)まで約1年間延長します。

南海難波駅(koichiro_sub3/写真AC)
南海難波駅(koichiro_sub3/写真AC)

2021年4月3日から開始した実証実験は三井住友カード(東京都江東区)、ビザ・ワールドワイド・ジャパン(東京都千代田区)、QUADRAC(東京都港区)、小田原機器(神奈川県小田原市)と共同で行われています。

Visaのタッチ決済に対応 クレジットとWAONがこれ1枚に WAON POINTもたまる「イオンカード」(提供: イオンカード)

対象16駅の改札において、Visaのタッチ決済対応のクレジットカードやスマートフォンなどを使った運賃支払いシステムの運用が検証されました。10月1日からは南海りんかんバス(和歌山県橋本市)が参画し、高野山内の路線バスでも利用できるようになりました(対象駅・エリアの路線図は下図を参照)。

加えて、キャッシュバックによる運賃割引など、クラウドサービスを活用した柔軟なサービスをキャンペーンとして実施しました。これらにより、利用者の増加や定着の効果が見られたとしています。

また、QRコードを活用した「南海デジタルチケット」での改札入出場も並行して検証されました。「時差通勤応援きっぷ」「なんばパークスシネマきっぷ」「高野山デジタルきっぷ」の3種の企画乗車券が発売され、本格導入に向けた課題や解決方法のノウハウを集めることができたとのことです。なお、このQR乗車券「南海デジタルチケット」は近日中に新しい名称に変更されます。

【路線図で解説】南海 Visaのタッチ決済による入出場の実証実験 期間延長

期間を延長した理由として南海電鉄は、当初の目的として掲げていた訪日観光客の利便性向上について、新型コロナウイルス感染症の影響により検証ができない状況が続いていることを挙げています。そこで、1年間延長してデータを検証することにより、インバウンド旅客に対する受け入れ基盤の整備が進められます。

また、2022年春からは南海グループの泉北高速鉄道が実証実験に参画し、南海電鉄からの乗り継ぎ利用を想定した各種実験が行われるほか、対応駅の拡大も計画されています。