ホーム柵・安全スクリーン全駅に整備へ JR西日本 京阪神でバリアフリー料金10円上乗せ

JR西日本は、運賃に上乗せして徴収する「鉄道駅バリアフリー料金」を活用し、京阪神地区でホーム柵などのバリアフリー設備整備を加速します。

JR西日本が整備を進めている「昇降式ホーム柵」(写真AC/photoB)
JR西日本が整備を進めている「昇降式ホーム柵」(写真AC/photoB)

「電車特定区間」内外の運賃共通化も

2021年12月に国が創設した鉄道駅バリアフリー料金制度は、バリアフリー化を計画的かつ迅速に進めることを目的に、都市部で鉄道を利用する人が広く薄く負担することを定めています。

JR西日本が国土交通省近畿運輸局に行った制度活用の届出によると、2023年4月1日(土)から普通運賃に対して10円(大人、以下同じ)、通勤定期運賃に対しては300円(1か月の場合、3か月・6か月にも設定)の料金が加算されます。通学定期運賃への加算は行われません。

同社は、2022年度からバリアフリー設備を先行して整備する対象を「電車特定区間」と同じエリアとしています。現行、同区間の内外で異なる運賃体系となっている制約もあり、バリアフリー料金についてはこのエリア内相互間の利用分から先行して徴収が開始します。山陽新幹線の新大阪駅〜西明石駅間を利用する場合も対象となります。

その後、2025年春を目処に、整備と料金徴収の対象エリアの拡大を想定しています。拡大にあたっては「整備対象エリアの運賃体系の共通化も課題」としており、今後、検討を進めていくとしています。なお、拡大するエリアは関係機関との調整の結果によリ、若干の変更が生じる場合があるとのことです(バリアフリー料金額、整備・収受対象エリアの路線図など詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】JR西日本 「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用しホーム柵等の整備を加速

「ホーム柵」「ホーム安全スクリーン」両展開

JR西日本は、京阪神地区の整備対象エリアの全駅(211駅・603番線)にホーム柵あるいは「ホーム安全スクリーン」を2032年度までに整備し、列車との触車事故の防止を図ります。同社が開発したホーム安全スクリーンは、ホームから線路への人の転落をセンサーで検知し、非常報知灯と連動することで速やかに列車を止めるシステムです。利用客の多い駅などでは優先してホーム柵が採用され、可動式のホームドアまたは、ロープを使用した昇降式の2方式で整備が進められます。

料金制度の活用により、2027年度までにエリア内でホーム柵を25駅78番線、スクリーンを84駅245番線に整備する方針です。これにより、いずれかのホーム安全対策がとられた駅を利用する乗客の割合を2025年度で5割、2027年度で7割とすることを目指すとしています。

今後の利用回復や世界的な半導体不足など、取り巻く環境の変化を考慮した上で、バリアフリー料金の届出は2027年度までとされています。5年間合計で323億円の徴収が見込まれており、474億円と見積もられているバリアフリー設備(エレベーター等を含む)の整備費などに充当されます。

JR西日本によると、2028年度以降も料金制度を活用し、引き続きバリアフリー設備の整備を進める方針とのことです。また、2033年度以降はスクリーンをホーム柵へと順次置き換えていくことを基本とし、スクリーンの効果の検証を行いながらホーム安全対策の方針を検討していくとしています。

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