「TJライナー」「川越特急」増発 快速は廃止 東武東上線ダイヤ改正 新横浜直通は1本/時

東武鉄道は2023年3月18日(土)にダイヤ改正を実施し、東上線では新横浜駅方面への直通列車の運転を開始するほか、有料座席指定列車「TJライナー」の増発、列車種別や停車駅の全面見直しなどを行います。

ダイヤ改正により種別廃止となる東上線「快速」として運行している東武10000型電車(Katsumi/TOKYO STUDIO)
ダイヤ改正により種別廃止となる東上線「快速」として運行している東武10000型電車(Katsumi/TOKYO STUDIO)

土休日朝にも「TJライナー」新設

同日、相鉄新横浜線と東急新横浜線の羽沢横浜国大駅〜日吉駅間が開業することに伴い、東上線から新横浜駅経由で海老名駅・湘南台駅まで乗り換えなしで結ぶ直通運転が開始します。鉄道ネットワークの拡大により、東上線沿線から東海道新幹線へ直接アクセスできる初めてのルートが確立します。

新横浜駅からの最短所要時間は朝霞台駅まで68分、川越駅まで80分で、日中時間帯の直通列車はおおむね1時間間隔で運転されます。東上線内の種別は普通列車が基本となりますが、朝時間帯の一部は快速急行・急行列車も直通します。

必ず座って快適に移動できることで好評のTJライナーは、平日朝時間帯の上り、夕夜時間帯の下りに各1本の列車が増発されます。朝は既存の4本の後に続き、池袋駅9:53着の列車が増発されます。夕方は運転開始時刻が30分早まり、池袋駅17:00発の小川町駅行が新たに追加されます。いずれも、働き方の多様化により一般的となった時差通勤に対応した設定となっています。

さらに、土休日ダイヤでも、朝時間帯に都心方面へ着席して出かけられるよう、これまで設定のなかった上りTJライナーが新たに3本設けられます。乗車可能な駅は平日と同じく、森林公園・東松山・坂戸・川越・ふじみ野の各駅です。

また、TJライナーと同じクロスシート車両を使用する料金不要の「川越特急」も増発され、川越方面への速達性向上とさらなる観光客誘致が図られます。平日は池袋駅発7時台の下り列車1本が新設されるほか、現行は夕方のみとなっている上り列車の運転時間帯は、平日・土休日とも夜間まで拡大します(増発されるTJライナーの運転時刻、改正前後の停車駅比較など詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】東武 2023年3月18日(土)ダイヤ改正 東上線の主な内容

川越市以北で日中減便

今回のダイヤ改正では、利用状況に合わせて列車種別と停車駅の見直しが実施されます。朝霞駅には急行列車、上板橋駅には準急列車が新たに停車し、両駅から池袋駅へのお出かけ利便性を高めます。

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快速急行列車は、現行ダイヤで停車している志木駅が通過に変更となり、代わりに朝霞台駅に停車することでJR武蔵野線との乗り換え利便性が向上します。一方で、一部駅を通過していた川越駅〜小川町間は各駅停車に変更されます。また、快速列車は運転取り止めとなり、TJライナーと川越特急を除き、川越駅以北で通過運転する列車の設定がなくなります。

そのほか、東京メトロ副都心線・東急東横線・みなとみらい線に直通運転する優等列車「Fライナー」は、東上線内の種別が急行から快速急行に変更され、渋谷駅・横浜駅方面への速達性向上が図られます。

これらの種別再編と合わせ、時間帯ごとの運転本数も見直されます。平日の朝ラッシュ時間帯は、ピーク時となる池袋駅7:30〜8:30着の列車本数が現行の24本から改正後は22本となり、2本減便となります。平日夕ラッシュ時間帯以降も、東上線・越生線を含めて一部列車の種別・行先や列車本数が見直されます。

日中時間帯は平日・土休日とも、川越市駅〜森林公園駅間の1時間あたり運転本数が8本から6本に減少します。現行ダイヤは、通過駅のある快速が2本、各駅に停車する急行・準急がそれぞれ4本・2本という内訳ですが、改正後は快速急行2本、急行4本となり、いずれも同区間内は各駅に停車します。

また、現在は小川町駅〜寄居駅間のすべての列車でワンマン運転が実施されていますが、改正後は一部列車でワンマン運転区間が森林公園駅〜寄居駅間に拡大します。

一方で、一部区間では利用状況に合わせ、平日ダイヤで始発列車の繰り上げ、最終列車の繰り下げが実施されます。志木駅4:53発の下り始発列車は6分繰り上げの4:47発となり、終点の小川町駅で接続する寄居駅行列車も発車時刻が7分繰り上がります。また、寄居駅からの上り森林公園駅行の最終列車は現行の23:11発から0:08発に57分繰り下げられ、接続する川越市駅行の最終列車も51分繰り下がります。