北東北もSuica 青森・盛岡・秋田の45駅に5月拡大 田沢湖線の新駅「前潟駅」でも利用可

JR東日本は、交通系ICカード「Suica」を使った出改札サービスを2023年5月27日(土)始発から北東北3県(青森・岩手・秋田)で新たに開始します。

奥羽本線・男鹿線で運行しているJR東日本EV-E801系電車(さんまなぎなぎ/写真AC)
奥羽本線・男鹿線で運行しているJR東日本EV-E801系電車(さんまなぎなぎ/写真AC)

鉄道利用でポイントが貯まる

新たにSuicaを利用できるのは「青森エリア」「盛岡エリア」「秋田エリア」の合計45駅です。青森エリアに含まれるのは、奥羽本線の弘前駅〜青森駅間の計10駅です。盛岡エリアは、東北本線の北上駅〜盛岡駅間、田沢湖線の盛岡駅〜雫石駅間および、釜石線の花巻駅〜新花巻駅間で、計18駅です。また、秋田エリアには奥羽本線の和田駅〜追分駅間、男鹿線の追分駅〜男鹿駅間および、羽越本線の新屋駅〜秋田駅間が含まれ、計17駅で利用可能です。

2021年4月時点の発表から1駅増えているのは、2023年3月のダイヤ改正日に開業を予定している、田沢湖線の前潟駅(盛岡駅〜大釜駅間)が対象駅に追加されたためです。導入エリア内では、主要9駅(弘前駅、新青森駅、青森駅、北上駅、花巻駅、盛岡駅、秋田駅、土崎駅、追分駅)にはIC対応自動改札機、その他の駅には簡易Suica改札機がそれぞれ設置されます。

これまで展開してきた首都圏・仙台・新潟の各エリアと同様、拡大エリアでも、あらかじめ入金(チャージ)したSuicaを改札機の読み取り部にタッチするだけで自動的に運賃が精算されます。スマートフォンにSuica機能を持たせた「モバイルSuica」にも対応します。Suicaカードに定期券機能が付いた「Suica定期券」も各エリア内の区間で発売されます。盛岡エリア内の新幹線駅各駅で完結する区間では、新幹線定期券「FREX/FREXパル」もSuica定期券として購入できるようになります。

また、JR東日本グループ共通ポイント「JRE POINT」が貯まる「在来線乗車ポイント」「リピートポイントサービス」も従来エリアと同様、青森・盛岡・秋田の各エリア内での鉄道利用も対象となります。なお、各エリアとも、Suicaの利用はエリア内完結の場合に限られ、エリアをまたがっての利用はできません(青森・盛岡・秋田Suicaエリアの路線図など詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】JR東日本 2023年5月27日(土)から北東北で「Suica」サービスを開始

地域の路線バスとSuicaで連携

JR東日本は、さまざまな場面でSuicaを活用できる「Suicaの共通基盤化」を推し進めており、地方では路線バス事業者の乗車券とSuica機能を一体化した「地域連携ICカード」の導入を広げています。すでにお持ちの地域連携ICカードはエリア拡大後、バスと鉄道でシームレスに利用することができます。今回の拡大エリアでは、青森県で「AOPASS(アオパス)」、岩手県で「Iwate Green Pass」「iGUCA(イグカ)」、秋田県では「AkiCA(アキカ)」などの地域連携ICカードが発行されています。また、弘南バス(本社:青森県弘前市)と連携して2023年春にサービスを開始する予定の「MegoICA(メゴイカ)」でも鉄道の利用が可能です。

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併せて、全国共通利用に対応した交通系ICカードの利用にも対応しており、北東北3県で購入したSuicaも、相互利用を行う全国各地の鉄道・バス等で利用可能です。

JR東日本は今回のエリア拡大に合わせ、新たな改札システムを構築しています。Suicaの主要機能は従来、自動改札機側に個別に内蔵されていましたが、これをセンターサーバーに集約するクラウド化が進められました。改札通過の際の運賃計算は、各改札機ではなくサーバー側で実行されます。

同社はSuicaと並行したチケットレス化の新しい手段として、「QRコード」を利用した乗車サービスを2024年度下期から東北エリアで開始することを発表しました。今回の改札クラウド化は、QRチケットを処理するサーバーとの協調や、Suicaのさらなるエリア拡大も視野に入れて開発が行われていると見られます。