JR東日本がSuicaエリアを青森・岩手・秋田の44駅に拡大 サービス開始は2023年春以降

JR東日本は2023年春以降、Suica利用エリアを北東北3県(青森・岩手・秋田)に拡大します。

田沢湖線盛岡駅に停車中のJR東日本701系電車(nozomi500/写真AC)
田沢湖線盛岡駅に停車中のJR東日本701系電車(nozomi500/写真AC)

新たにSuicaを利用できるようになるのは、青森県・岩手県・秋田県の計44の駅です。「青森エリア」は、奥羽本線(弘前駅〜青森駅間)の10駅です。「盛岡エリア」は、東北本線(北上駅〜盛岡駅間)、田沢湖線(盛岡駅〜雫石間)および釜石線(花巻駅〜新花巻駅間)の17駅です。「秋田エリア」は、奥羽本線(和田駅〜追分駅間)、男鹿線(追分駅〜男鹿駅間)および羽越本線(新屋駅〜秋田駅間)の17駅です(路線図は下図を参照)。

改札機にタッチして乗り降りできるIC乗車券のほか、Suica定期券も利用できるようになります。なお、3つのエリアとも、エリア内で乗車・下車が完結する場合のみSuicaが利用できます。各エリア間および、既存の首都圏・仙台・新潟エリアとをまたがって利用することはできません。

サービス開始時期は2023年春以降が予定されています。具体的な開始日や、Suicaを発売する駅などの詳細は、決まり次第告知するとのことです。

ところで、今回のSuicaエリア拡大にあたっては、新たな改札システムが使用される予定です。現行の改札システムでは、各自動改札機にSuicaの主要な機能をもたせており、運賃計算時の処理は改札機内部で行われています。開発中の改札システムでは、改札機側にあったSuicaの主要機能をセンターサーバーに集約し、各改札機とを通信で結ぶクラウド化が進められます。運賃計算の処理は改札機ではなくサーバー側で行われます。このクラウド化により、将来的にはSuicaエリアのさらなる拡大のほか、モバイルSuicaなどスマートフォンによる多様なサービス提供などが実現できるようになるとしています。

【路線図で解説】JR東日本 2023年春以降 Suicaエリアを青森・岩手・秋田に拡大

一方でJR東日本は、Suicaと地域の交通ICカードの機能を併せ持つ「地域連携ICカード」の展開を始めています。栃木県では、関東自動車、JRバス関東と連携したICカード「totra(トトラ)」のサービスが2021年3月21日(日)に開始しました。また、岩手県交通が発行する地域連携ICカード「Iwate Green Pass」も2021年3月27日(土)にサービスを開始しています。今後、2022年春までに青森県(青森エリア・八戸エリア)、秋田県、山形県および群馬県でも同様のカードが導入予定となっており、東北エリアを中心にSuica普及への基盤づくりが加速しています。