「モバイルICOCA」まずAndroidから3月開始 定期券もスマホでピッ! 乗車ポイントは改悪

JR西日本は、スマートフォンで自動改札機を通過できる新サービス「モバイルICOCA」を導入するとともに、グループ共通の新たなポイントサービス「WESTERポイント」を順次開始します。

JR西日本の三ノ宮駅西口改札口(わんまるお/写真AC)
JR西日本の三ノ宮駅西口改札口(わんまるお/写真AC)

「モバイルSuica」から17年でようやく

モバイルICOCAの開始日は2023年3月22日(水)で、まずはAndroid搭載のスマートフォンに限定したサービス提供となります。ICカード乗車券「ICOCA」の機能が専用アプリ「モバイルICOCA for Android」として提供され、「おサイフケータイ」の仕組みを使って改札機やカードリーダーと通信を行います。

ICOCAエリアだけでなく、ICカード全国相互利用に対応した鉄道・バスの乗車、店舗でのお買い物に利用できます。定期券機能も有しており、チャージや定期券購入は駅窓口や券売機に並ぶことなく、アプリ操作だけでで完結することができます。困ったときに電話やチャットで問い合わせができるサポートセンターも開設されます。

同種サービスの先駆けとなったJR東日本の「モバイルSuica」は、スマートフォンが登場するより前の2006年(平成18年)1月からサービスを開始しました。首都圏では、私鉄・地下鉄などの事業者による「モバイルPASMO」も2020年(令和2年)3月に始まっています。遅れること約17年、西日本エリアで初めてとなる交通系ICカードのスマートフォン搭載がようやく実現します。

なお、モバイルSuica・PASMOで提供されている、改札機通過時に自動的に残額を積み増す「オートチャージ」機能については、モバイルICOCAでは非対応となります。また、iPhoneなどiOS端末での提供予定は現時点ではアナウンスはなく、早期の対応が待たれるところです(「モバイルICOCA」「WESTERポイント」のサービス内容など詳細は下の図表を参照)。

【図表で解説】JR西日本 「モバイルICOCA」「WESTERポイント」サービスを開始

「昼特きっぷ」後継サービスを大幅縮小

JR西日本はこれまで、自社系列のクレジットカード、交通系ICカード、商業施設のそれぞれで「J-WESTポイント」「ICOCAポイント」「WESPOポイント」という3つのポイント施策を展開してきました。これらは2023年3月7日(火)から順次、グループ共通の新たなポイントサービス「WESTERポイント」へと集約され、より貯めやすく、使いやすい環境が整えられます。

【嵯峨野観光鉄道】嵯峨野トロッコ列車・片道乗車券|区間:嵯峨ー亀岡
嵐山と亀岡を結ぶ「嵯峨野トロッコ列車」は、新緑や紅葉など嵯峨野の四季折々の風情を楽しむことができる観光列車です。車内からは春は桜、夏は新緑、秋はモミジと、季節それぞれの美しさが楽しめます
JR山陰本線(嵯峨野線)嵯峨嵐山駅隣接
チケットを購入 (提供:KKday)

2023年3月22日(水)にサービス開始するモバイルICOCAでは、チャージや定期券購入の決済に「J-WESTカード」を利用した場合、最大で3%のWESTERポイントが貯まります。また、4月以降はインターネット列車予約サービス「e5489」「エクスプレス予約」でのチケットレス商品購入時、観光アプリ「tabiwa」でのデジタルチケット購入時などにもポイントが貯まるようになります。

貯めたWESTERポイントは、モバイルICOCAへのチャージや、対象店舗・施設でのお買い物の際に1ポイント=1円として利用できるようになります。また、ポイントを活用することで通常価格よりおトクに購入できる「WESTERポイント利用商品」も各種用意されます。例えば、山陽新幹線の指定席を片道利用できる「WESTERポイント特典きっぷ」の場合、新大阪駅〜博多駅間なら所定のおねだんの約50%相当となる7,630ポイントで購入することができます。

サービス拡充の一方で、乗車ごとにポイントが貯まる「ICOCAポイントサービス」は2023年4月1日(土)から内容が見直されます。京阪神地区の一部区間を指定時間帯にICOCAで繰り返し乗車すると、4回目以降の利用ごとに貯まる「時間帯指定ポイント」については、50%または30%のポイント付与率が一律10%へと引き下げられます。また、1か月間に同一区間運賃を繰り返し利用した場合、11回目以降に1回につき15%のポイントが付与される「利用回数ポイント」についても、4月分以降は10%の付与に変更されます。

特に前者の「時間帯指定ポイント」は、競合私鉄との運賃差を意識して国鉄時代の1983年(昭和58年)から設定されていた「昼間特割きっぷ」の流れをくんでいます。同きっぷの異例とも言える大幅な割引率は、代替サービスのポイント還元率にも踏襲されていましたが、今回の見直しにより正規運賃での利用との差が縮まります。長く続いた関西私鉄とJRとの価格面での競争ですが、時勢の変化とともに一定の区切りが付けられます。