富山地方鉄道は2023年4月15日(土)に鉄道線のダイヤ改正を実施し、運転を取り止めていた特急列車を再開するほか、東京方面からの北陸新幹線との接続を考慮して最終列車を繰り下げます。
特急「立山」「アルペン」「くろべ」が帰ってくる
宇奈月・立山エリアへの観光客向けに設定されていた地鉄の特急列車ですが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い2021年4月のダイヤ改正で減便され、2022年4月以降はすべての運転が取り止められていました。今回のダイヤ改正で特急運転が復活しますが、コロナ前と比べると設定本数は抑えられています。
冬季を除く休日には、電鉄富山駅〜立山駅間に特急「立山」が上下各1本運転します。また、宇奈月温泉駅発で立山駅まで直通する特急「アルペン」が休日の朝時間帯に1本設定されますが、冬季は行先が変わり、電鉄富山駅行の特急「うなづき」として運転します。そのほか、電鉄黒部駅〜宇奈月温泉駅間では、通年で特急「くろべ」が平日は上下各1本、休日は下り3本・上り2本のダイヤで運転します。
地鉄は「アルプスエキスプレス」「ダブルデッカーエキスプレス」という2種類の観光列車を保有しています。前者は西武鉄道の特急「レッドアロー」車両を観光客向けに改造した専用編成で、後者は京阪電気鉄道から譲り受けた2階建て車両を組み込んでいます。これらの車両は現在、運休中または限定的な運用にとどまっており、今後の運用はまだ発表されていませんが、特急再開を機に活躍の場が広がるのかが注目されます(富山地方鉄道ダイヤ改正後の特急列車の運転時刻、新幹線からの最終列車接続時刻など詳細は下の図表を参照)。
東京からの最終新幹線でも間に合う
普通列車は、おおむね10時〜15時の日中時間帯にパターンダイヤが導入され、電鉄富山駅〜寺田駅間がおおむね20分の等間隔となります。また、平日の朝時間帯には現行ダイヤと同様、本線に宇奈月温泉駅発・電鉄富山駅行の急行列車が1本設定されますが、停車駅に「西滑川駅」「新宮川駅」が追加されます。
西滑川駅は富山県立滑川高校の最寄駅で、通学の利便性向上のために新たに停車します。北陸自動車道の上市スマートインターチェンジに近い新宮川駅にはパーク&ライド駐車場が整備されており、マイカーから鉄道への乗り換え拠点としての利用増が期待されています。
そのほか、深夜時間帯に電鉄富山駅からの本線下り列車が1本増発されることに伴い、上市駅行の最終列車は電鉄富山駅23:30発となり、現行より25分繰り下げられます。この列車には北陸新幹線の金沢駅行最終列車「かがやき519号」(東京駅21:04発、富山駅23:12着)からの乗り換えが可能で、首都圏の滞在可能時間をより長く確保できます。
もっとも、現在の最終列車は2021年4月のダイヤ改正により繰り上げられた時刻で運転しており、約2年ぶりにコロナ前のダイヤ水準へと近づきます。
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