南海電気鉄道は創業140周年を記念し、特急「サザン」で使用している10000系1編成(4両)をかつての緑色塗装に復元し、2025年6月4日(水)から営業運転を開始します。
10000系は、南海線特急列車のサービス向上のため、リクライニングシートを備えた特急「サザン」座席指定車両として1985年(昭和60年)にデビューしました。通勤輸送のほか和歌山港と徳島港を結ぶフェリーとの連絡輸送も担っており、日中時間帯はロングシートの一般車両を自由席車として併結して運行するのも特徴です。
登場当時の外観は濃淡グリーンのツートンカラーでしたが、関西国際空港の開港を控えての企業イメージ刷新と連動し、1992年(平成4年)以降はメタリック地に青とオレンジの帯を配した現在のカラーリングとなっています。創業140周年とならび、10000系運行開始から40周年を迎えることを記念し、33年前のオリジナル塗装に復元した編成が難波駅〜和歌山港駅間で運行します。
南海線では一足早く、一般車両7100系のうち1編成に2024年8月から濃淡グリーンの復元塗装が施されました。今回塗装を復元する10000系との連結も予定しており、創業130周年で実施した10000系と7000系の復元塗装以来、「なつかしの緑色」による8両編成が10年ぶりに復活します。なお、復元塗装の10000系は、2027年度末に予定している特急「サザン」新型車両の導入頃まで運行を続ける計画です。
南海はほかにも、高野線の6000系1編成をかつてのステンレス無塗装スタイルに、3000系1編成を旧泉北高速鉄道開業時のオリジナルデザインにそれぞれ戻して運行しています。出揃ったこれら復刻スタイルの車両をあしらったタオルやトートバッグなどの140周年記念グッズも制作し、オンラインショップや難波駅サービスセンターで発売しています。