JR西日本は、木次線の観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」の運行を2023年11月に終了するのを前に、6月と7月は旅行会社などが企画する団体専用列車としての特別運行を実施します。
2023年11月で運行終了
「奥出雲おろち号」の運行区間は、ヤマタノオロチの物語など数々の神話の舞台となった奥出雲を縦断する木次線です。約162mの標高差を登る出雲坂根駅の「三段スイッチバック」は絶景の車窓スポットとして有名で、爽快な風が吹き抜けるオープンエアのトロッコ車両から眺めるのは格別です。「そば弁当」「焼き鳥」など、地元ならではの名物グルメを車内や駅で購入できるのも楽しみの一つです。
観光振興を図りたい島根県横田町(現在の奥出雲町)がJR西日本に運行を要請したことを受け、1998年(平成10年)4月に運行を開始しました。基本の運行区間は木次駅〜備後落合駅間ですが、日によっては片道のみ山陰本線の出雲市駅始発で延長運転を行います。毎年4月〜11月の土日祝日を中心に年間130〜150日程度運転し、年間約1万4千人が乗車する人気の観光列車です。
沿線自治体の積極的な協力を得ながら運行25周年を迎えた「奥出雲おろち号」ですが、製造から約50年が経過している客車の老朽化が進み、2023年度を最後に運行を終了することが決まっています。
2023年4月〜5月は計50日間、全車指定席での通常運転が行われますが、ラストシーズンで多くの申し込みが予想されるため、6月〜7月の一部日程で特別運行が行われます(「奥出雲おろち号」の運転時刻、運転日カレンダー、特別運行の概要など詳細は下の図表を参照)。
“平日”なら乗車できる可能性大
注目は、山陰観光連盟が企画する特別招待キャンペーンです。計23日間が対象で、応募した方の中から抽選で各日最大64名が「奥出雲おろち号」に無料で乗車できるというものです。山陰両県(鳥取・島根)のいずれかに宿泊する、山陰までの往復に「やくも」などのJR特急列車を利用するなど、いくつかの応募条件をクリアした方のみが対象となります。
応募は3月29日(水)〜4月12日(水)までキャンペーン専用サイトで受け付けており、当選者には4月中旬以降に告知されます。同連盟が4月6日(木)に行った中間集計によると、土日祝日の一部運転日には定員を超える申し込みがある一方、平日の希望者は比較的少なく、乗車できる可能性が高いとのことです。
ほかにも、阪急交通社(本社:大阪市)、JR四国(ワープ高松支店)、石王観光(島根県浜田市)の各旅行会社がそれぞれ、「奥出雲おろち号」の乗車を含む宿泊ツアーを企画しています。いずれの特別運行も、乗車した方全員に特典として「記念乗車証」のプレゼントが用意されています。
なお、7月〜11月の期間についても、ラストランに向けて多くの運転日が設定される予定です。
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