阪急電鉄は、2024年3月23日(土)始発列車から伊丹線で、その後2026年春頃には箕面線、2027年春頃には嵐山線でそれぞれワンマン運転を開始します。
センサーが異常検知すると運転士に合図
少子高齢化が進む中、コロナ禍がもたらした新しい生活様式によって利用動向も変化しており、省力化を進めて持続可能な鉄道サービスの体制をつくります。ワンマン運転開始に伴うダイヤの変更はないとのことです。
伊丹線各駅では「センサ付ホーム固定柵」の設置工事が進められています。車両と固定柵の間に人がいるかどうかを3Dセンサー機能が検知し、表示灯で運転士に知らせることにより列車出発時の安全確認ができるというものです。列車の出発後も、センサー検知範囲内に人が立ち入ると線路脇の「運転士用アクシデント合図器」が発光し、速やかに対処できるよう備えられます。
このシステムは箕面線、嵐山線のほか、すでにワンマン運転を行っている甲陽線と今津線(西宮北口駅〜今津駅間)にも2024年度中に整備される予定です。
(阪急電鉄がワンマン運転を実施する線区と開始時期、安全確保のための取り組みなど詳細は下の図表を参照)
駅間に列車が停車した場合の避難も想定
阪急は車内への防犯カメラの設置を2027年度末までに全線すべての車両に設置する計画ですが、今回、ワンマン運転を実施する線区を走行する車両にも整備されます。犯罪や迷惑行為の抑制効果が期待されており、車内でトラブルが発生した際も映像をリアルタイムで確認できるので、車内の状況を把握して迅速に対応できるとしています。
新たな取り組みとして、列車が駅間に停車した際、乗務員が利用者を誘導できないような状況を想定した避難誘導看板が設置されます。看板には軌道外への出口となる駅や踏切道までの距離が示されており、利用者自身で避難しやすい方向を判断できるようになっています。大地震発生時の津波浸水区域には専用の看板が設置され、津波が来る可能性が明示されます。
避難誘導看板はワンマン運転の実施線区以外にも順次設置を始め、2026年度末までには全線での整備が完了する予定とのことです。