Osaka Metro(大阪メトロ)、京阪電気鉄道、阪急電鉄など関西の大手鉄道事業者は、スマートフォン画面に表示させたQRコードを改札機にかざして利用できる新たなデジタル乗車券サービスを2024年6月頃に開始します。
「スルッとKANSAI」が共通サービスを取りまとめ
サービス名は「スルッとQRtto(クルット)」で、QRコードでくるっと関西一円を楽しめるコンセプトが込められています。鉄道・バス事業者で構成するスルッとKANSAI協議会が主導し、加盟各路線で共通利用することを前提にシステム構築します。
サービス開始当初は大阪メトロ、京阪、阪急、阪神のほか、大阪シティバス、近畿日本鉄道(近鉄)、南海電気鉄道、阪神電気鉄道の7社に導入されます。その後順次、提供事業者の拡大を目指します。2025年に開催される大阪・関西万博では多くの訪日外国人の利用が見込まれており、共通基盤を用いることで早期に、広範囲でキャッシュレス・チケットレス化を実現します。
京阪は、京阪線(大津線を除く)の全駅と石清水八幡宮参道ケーブルのケーブル八幡宮口駅にQRリーダーを設置した改札機を導入します。阪急は、神戸高速線花隈駅を含む全87駅(天神橋筋六丁目駅を除く)を対象に、専用リーダー付き改札機を少なくとも各改札に1台設置します。阪神は西代駅を除く各駅で対応改札機への更新を進め、大阪メトロは地下鉄・ニュートラム全駅への設置を準備します。
(デジタル乗車券サービス「スルッとQRtto」対象エリア、電車・バスの利用イメージなど詳細は下の図表を参照)
Webで購入した「1日乗車券」などが対象
サービス開始時にQR乗車券としての発売が予定されているのは、協議会や各社が現在、磁気カードや磁気きっぷで発行しているおトクな企画乗車券です。
利用者はまず、自身のスマートフォンで専用WebサイトからQR乗車券を購入し、駅では乗車券のQRコードを画面表示させて改札機にかざして入出場します。バス車内や提携観光施設にはサービス専用のQRコードが掲示され、それをカメラで読み取って表示される有効な乗車券やサービス利用券を運転士や係員に提示することで利用可能となります。
大阪メトロは、大阪シティバス(一部を除く)を含む全路線で使える1日乗車券などを「e METRO」アプリで発売することを予定しています。将来は、大阪メトロの独自サービスと組み合わせたチケットの販売にも対象を拡大したい考えです。他社も協議会のWebサイトを通じてでQR乗車券の発売を予定しており、国内外を問わず利用してもらえるよう多言語対応も検討しているとのことです。