JR九州は、蒸気機関車けん引による観光列車「SL人吉」を2021年7月以降も熊本駅〜鳥栖駅間で運転します。
2020年7月豪雨により鉄道施設に大きな被害を受けた肥薩線は、八代駅〜吉松駅間が不通となっています。以前は熊本駅〜人吉駅間で運行していた「SL人吉」ですが、2021年5月1日から鹿児島本線の熊本駅〜鳥栖駅間に活躍の場を移し、土日祝日を中心に1日1往復しています(時刻表と運転日カレンダーは下表を参照)。
1922年(大正11年)生まれで、かつて九州各地で使用されていた蒸気機関車「ハチロク」こと8620形58654号機は、2009年からSL人吉の顔として沿線住民や観光客に親しまれています。展望ラウンジやミュージアムがあるクラシカルな内装の客車は、乗るだけで旅の気分を高めてくれます。熊本駅発 鳥栖駅行での運転時はSLが先頭となって客車をけん引します。鳥栖駅発 熊本駅行ではディーゼル機関車(DL)がけん引し、SLは最後部に連結されての運転となります。
この夏の運転に合わせて、「SL人吉」車内限定の3つの「旅のお楽しみ」も用意されます。
1つ目は、「一勝地駅記念入場券」の車内特別販売です。縁起の良い駅名であることから、合格祈願やスポーツの必勝祈願などで好評を集めた肥薩線一勝地駅の入場券です。7月17日(土)から鳥栖駅行・熊本駅行の両列車とも3号車ビュッフェで販売され、おねだんは1枚170円です。数量限定のため、なくなり次第販売終了となります。
2つ目は、特別デザインの「記念乗車証」プレゼントです。熊本駅行の「SL人吉」をモチーフにした、DLがヘッドマークを付けた姿のめずらしい記念乗車証が制作されました。熊本駅行の車内限定で、3号車ビュッフェ付近で7月3日(土)から配布されます。
3つ目は、車内販売で7月3日(土)に登場する新商品「カツサンド」(650円)です。SL人吉の車内で発売している「86(ハチロク)弁当」でおなじみの五車堂本店によるカツサンドは、こだわり素材と創業以来秘伝のソースが自慢の一品です。車内販売ではそのほか、鳥栖に本社がある中央軒が制作したオリジナルの「鳥栖SL弁当」(800円)が熊本駅行限定で発売されます。
「SL人吉」は全車指定席のため、乗車券のほかに指定席券(大人1,680円、小児840円)が必要です。JR九州は、心に残る夏の思い出づくりに、大人から子どもまで乗って楽しい「SL人吉」への乗車を呼びかけています。