【特集】観光型MaaSは「広く・深く」 JR東日本「TOHOKU MaaS」を東北6県に拡大

「ワンコイン」共通チケットで気軽にグルメや観光を

目的地で楽しむためのサービスとして、旅のシーンに合わせて選べる各種チケットが用意されます。エリアに寄り内容は異なりますが、各種観光施設の入館チケットや、タクシーで巡る観光プラン「駅から観タクン」、レンタサイクルなどの手配が「TOHOKU MaaS」上で行えます。仙台・宮城エリアおよび会津エリアでは、バスガイド同行で効率よく観光できる「定期観光バス」の予約・決済も行えるようになる予定です(準備中のため後日開始)。

「もち食」文化のある一関・平泉エリアで供されるもち御膳(イメージ)(写真AC/にゃん春)
「もち食」文化のある一関・平泉エリアで供されるもち御膳(イメージ)(写真AC/にゃん春)

全8エリア共通で使える1枚500円の電子チケット「東北MaaSチケット」も発売されます。レストラン、土産物店、観光施設など170あまりの施設で利用でき、郷土料理など各地域での味わいや、温泉での日帰り入浴などをスマートフォン一つで楽しむことができす。

「宮城・地酒と食の伊達なマリアージュ」(仙台・宮城エリア)、「もち食! いただきMaaS」(一関・平泉エリア)、「河京 会津・喜多方グルメ」(会津エリア)など、「東北MaaSチケット」を使って参加できるグルメ等の企画も展開されます。前述の「オンデマンド交通」で巡れる施設を中心とした企画も用意されており、使い方しだいで効率的で楽しい旅になりそうです。

【路線図で解説】JR東日本 「東北MaaSチケット」グルメ等企画

非接触によるwithコロナの旅のかたちを提案

「TOHOKU MaaS」は、旅行の計画に便利な機能も搭載されています。お出かけ前に観光スポット情報やモデルコースを確認できる「旅行プランニングサービス」のほか、移動時間や現地での滞在時間を考慮して、周辺の観光施設や体験メニューをおすすめする「リコメンド機能」もすべてのエリアで利用可能です。

各種チケット購入時の支払い方法は、クレジットカードのほか「モバイルSuica」のチャージも利用できます。また、4月下旬にはJR東日本グループ共通ポイント「JRE POINT」を利用して「東北MaaSチケット」を購入できるサービスも開始予定です。

また、「TOHOKU MaaS」のサイトから、東北DCにあわせて実施される「東北でSuicaお買い物キャンペーン」へのエントリーができます。このキャンペーンは、あらかじめ登録したSuica等の交通系電子マネーを使い、3か所以上の対象店舗などで1回700円以上(税込)の決済すると、抽選で「東北6県の特産品詰め合わせ」などの商品がプレゼントされる企画です。

弘前公園の桜並木と岩木山(イメージ)(写真AC/shirakami730)
弘前公園の桜並木と岩木山(イメージ)(写真AC/shirakami730)

JR東日本は、「TOHOKU MaaS」を「新幹線eチケット」や「モバイルSuica」と組み合わせて利用することにより、スマートフォン一つで非接触・キャッシュレスにより東北地方を広く回遊することができるとし、「withコロナ・ポストコロナの状況下で安心してシームレスに」旅行ができるメリットを訴求しています。NTTドコモグループが提供する「モバイル空間統計人口マップ」との連携により、「TOHOKU MaaS」の観光マップ上で周辺のおおよその混雑情報を確認することもできるとのことです。

また、東北DC期間中の「TOHOKU MaaS」を通じて得られる知見をもとに、DC終了後にサービス内容の改善を行い、東北地方で継続的にMaaSを展開していきたいとしています。