栃木県宇都宮市と芳賀町を結ぶルートに建設中の「芳賀・宇都宮LRT」について、車両の愛称と停留所の正式名称が決定しました。
LRT車両の愛称募集は芳賀町・宇都宮市が実施し、住民参加の取り組みとして、2020年12月15日〜2021年1月15日の期間、4つの愛称候補から選ぶ形式によるアンケートが行われました。40,668票の投票の結果、最多得票の19,840票を得た「ライトライン(LIGHTLINE)」に決定しました(次点は得票数順に「ミライド」「ミライトラン」「ウィライト」)。
芳賀・宇都宮地域は落雷が多く「雷都(らいと)」と呼ばれてきたことから、LRT車両のデザインコンセプトに「雷都を未来へ」が掲げられています。「ライトライン」の先頭の「LIGHT」は「雷都」「LRT(Light Rail Transit)」のほか、「光」「明るい」といった意味もあり、「LINE」と組み合わせて「光の道筋」といったメッセージも込められているとのことです。「ライトライン」への投票理由として、「呼びやすくて覚えやすい」「コンセプトをよく表している」「車両デザインに合っている」などが挙げられています。
あわせて、LRT全19停留所の正式名称が決定しました。それぞれの名称は、有識者や地域・行政の代表者らによる検討委員会が候補を作成し、それぞれの地区の住民が参加したアンケートの結果を踏まえて選定したものです。委員会から整備主体の芳賀町・宇都宮市に提案し、正式に決定されました。自治体が整備する停留所は公共施設であることから名称には公平性が求められるとし、選定にあたっては、所在地の町名や地域名、近辺の公共施設や鉄道駅、交差点の名称などを使用するという基準が設けられました。
JR宇都宮駅に隣接する起点停留所の名称は「宇都宮駅東口」(これまでの仮称: JR宇都宮駅東口、以下括弧内も同様)となります。「宇都宮大学陽東キャンパス」(ベルモール前)、「清陵高校前」(作新学院北)、「芳賀・高根沢工業団地」(本田技研北門)は、「特定の個人や法人(団体を含む)の名称は避ける」という基準に照らし合わせて、仮称で用いられていたショッピングモール、私立教育機関、企業の名称が正式名称では採用されませんでした(路線図は下図を参照)。開業時には停留所名に併記される副停留所名を設け、沿線法人に対してネーミングライツ(命名権)を実施する予定だとしています。
2023年3月に開業予定の芳賀・宇都宮LRTは、芳賀町・宇都宮市が軌道の整備、第3セクターの宇都宮ライトレールが旅客営業を担当する上下分離方式で行われる事業です。2020年12月末時点で全体の約8割の区間で工事が行われているものの、未取得の事業用地が約5%残っており、新型コロナウイルス感染症の影響などにより用地取得に時間を要しているとのことです。このため、当初の開業予定時期2022年3月から開業目標が1年延期されました。
新潟トランシスが製造するLRT車両については、2021年3月までに最初の編成が導入される予定でしたが、コロナ禍により一部の外国製部品の調達が遅れていることから、納入時期は5月頃にずれ込む見通しだとしています。