JR北海道「SL冬の湿原号」客車リニューアル 木目に赤が映える「たんちょうカー」登場

JR北海道は、蒸気機関車(SL)けん引による観光列車「SL冬の湿原号」の客車の一部をリニューアルし、2022年1月から運転を開始します。

「SL冬の湿原号」で運行している蒸気機関車C11型171号機と14系客車(中村 昌寛/写真AC)
「SL冬の湿原号」で運行している蒸気機関車C11型171号機と14系客車(中村 昌寛/写真AC)

2000年1月から釧網本線で運行を開始し、道東観光の冬の風物詩となっているSL冬の湿原号ですが、20年以上の運行によるSLおよび客車の老朽化が課題となっていました。今後も継続して運行するため、SL(C11型171号機)の全般検査実施とともに、5両編成の14系客車についても2段階に分けて内装や機器のリニューアル工事が行われます。客車のリニューアルでは、SLが持つ「ノスタルジー」や「レトロ」感をベースに、内装には丹頂(たんちょう)やえぞしかのシルエットがあしらわれるなど、北海道ならではのSLの旅が楽しめる工夫が施されます。

2021年度は第1弾として2両の客車(1号車・5号車)が「たんちょうカー」となり、温かみと高級感を感じられる室内から雄大な釧路湿原や丹頂を間近に楽しめる車両にリニューアルされます。抗菌・抗ウイルス生地が使用される座席の色調は「丹頂の赤」をイメージした臙脂(えんじ)色、壁面は雪原の木々をイメージした木目調となります。川側にカウンター席、山側にボックス席が配置され、釧路川や湿原など川側の眺望をより楽しめるようボックス席が高床化されます。また、機器室に隣接する通路は窓が大型化され「展望通路」として楽しめるようになります。

リニューアルしたSL冬の湿原号をより多くの方に楽しんでもらえるよう、2021年度は運転日が前年度より12日増え、釧路駅〜標茶駅間を計33日間運転します(運転時刻と運転日カレンダーは下図を参照)。2〜4号車はダルマストーブが設置される「ストーブカー」として運転され、たんちょうカーと合わせて往復で異なる楽しみ方ができます。各車両のテーブルへのパーティション設置など、新型コロナウイルス感染症対策も2020年度に引き続き実施されます。

SL冬の湿原号は全車指定席で、乗車券のほかに座席指定券が必要です。なお、今回の運行から座席指定料金は大人1,680円・小児840円に改定されます(従来は大人840円・小児420円)。

【時刻表で解説】JR北海道 「SL冬の湿原号」 一部客車をリニューアル

2号車の「カフェカー」を含むストーブカーについては客車リニューアル第2弾として、2022年度運行に合わせた内装リフレッシュが予定されています。さらに、2022年度にはトイレの洋式化や大型荷物置場の設置も実施される予定です。