「SL銀河」23年春で運行終了 東北復興シンボル 客車が老朽化 新たな観光列車を検討へ

JR東日本は、2023年春をもって蒸気機関車けん引の観光列車「SL銀河」の運行を終了すると発表しました。

「SL銀河」で運行している蒸気機関車C58形239号機とキハ141系気動車(ゼロセブン★にこまる/写真AC)
「SL銀河」で運行している蒸気機関車C58形239号機とキハ141系気動車(ゼロセブン★にこまる/写真AC)

東日本大震災からの観光面における復興支援と地域活性化のため、2014年4月12日に釜石線で運行を開始しました。主に春から初冬にかけて土日を中心に花巻駅〜釜石駅間で運転が行われ、現在までに約57,000人の方が乗車したとのことです。しかしながら、使用している旅客車の老朽化が進んだことに伴い、2023年春を最後に運行が終了することが決まりました。

駅隣の好立地 旅の疲れは最上階の浴場で「ホテル フォルクローロ三陸釜石<JR東日本ホテルズ>」(提供: じゃらん)

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を代表的なテーマとして列車全体がプロデュースされており、賢治の世界観や空気感、生きた時代を共有することで東北の「文化・自然・風景」を感じることができる車内空間に仕立てられています。

列車の顔であるC58形239号機は、1972年まで山田線・釜石線・大船渡線を中心に活躍した機関車です。いったんは廃車され岩手県営運動公園で展示保存されていましたが、SL銀河への起用のために復元されました。一方、旅客車のキハ141系気動車は、JR北海道により50系客車を改造してつくられた形式で、JR東日本に譲渡され観光仕様に再改造されました。SL列車では珍しいエンジン付きの旅客車で、機関車だけでなく旅客車にも運転士が乗務し、協調運転を行いながら急勾配のある釜石線を走行します。

現在、SL銀河は2021年12月5日(日)まで土曜は花巻駅発・釜石駅行、日曜は釜石駅発・花巻駅行として運転しています(運転時刻と運転日カレンダーは下表を参照)。今後、2022年は春から初冬まで、2023年は春のみの運行となる予定です。詳細は決まり次第告知するとのことです。

【時刻表で解説】JR東日本 「SL銀河」 2023年春をもって運行終了

JR東日本は、引き続きSL銀河を活用したさまざまなイベントを計画し、運行終了まで盛り上げていくとしています。また、運行終了後についても新たな観光列車の運行に向けて検討を進め、地域の方とともに観光振興に取り組みたいと話しています。