東京メトロはバリアフリー設備の整備を進めるため、運賃に鉄道駅バリアフリー料金を上乗せして利用者から受け取ることを国土交通省に届け出ました。
これまでも国や地方自治体の協力を得ながら、ホームドアやエレベーターなどの各種バリアフリー設備を積極的に整備してきたとしています。2021年度末時点でバリアフリートイレ(多機能トイレ)は全駅、ホームドアは83.3%、エレベーター(1ルート確保)は98.3%の駅で整備が完了しています。また、ホームと車両床面の段差と隙間を縮小する設備や、全車両へのフリースペースの設置も順次進められています。
今後は2025年度までにホームドアを全駅に整備するなど、バリアフリー設備の整備を着実に推進していくとしています(今後の取り組みの詳細は下表を参照)。そして、一部の整備費用に国が2021年12月に創設した「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用することとし、その料金設定と整備計画について国交省関東運輸局へ届出が行われました。この制度は、年齢や障害の有無にかかわらず快適で容易に移動できる環境を整えることを目的に、利用者に「広く薄い負担」を求めることができるように定められています。
届出によると、東京メトロ全路線を対象として1乗車につき10円、通勤定期運賃には平均割引率によって算出された料金が運賃に加算されます(詳細は下表を参照)。通学定期運賃については料金は加算されません。2022年4月5日(火)に同制度適用の届出を行ったJR東日本とおおむね同様の内容です。加算は2023年3月頃から始まる予定で、加算後の運賃に関する詳細は後日改めて告知するとのことです。
設備の整備以外では、駅社員のサービス介助士資格の取得、積極的な声かけやサポート、公式サイトや「東京メトロmy! アプリ」によるバリアフリー情報提供など、円滑な移動を実現する取り組みを引き続き行っていくとのことです。