松阪〜賢島間 サイクルトレインを通年実施 近鉄 「鉄道×自転車」で新たな伊勢志摩の旅

近畿日本鉄道(近鉄)は、山田線・鳥羽線・志摩線にまたがる松阪駅〜賢島駅間(57.6km)において、自転車をそのまま車内に持ち込める「サイクルトレイン」を本格実施します。

山田線・鳥羽線・志摩線などで運行している近鉄1201系電車(s**m/写真AC)
山田線・鳥羽線・志摩線などで運行している近鉄1201系電車(s**m/写真AC)

土日祝日は区間・時間を拡大

自転車を列車内に持ち込む際、通常は解体して「輪行袋」に格納する必要がありますが、サイクルトレインの乗車時は解体や袋詰めが不要で、列車を降りた後はすぐに自転車で移動できます。地域のサイクルツーリズムを促進するため、沿線自治体(三重県松阪市、明和町、伊勢市、鳥羽市、志摩市)や観光協会、商工会議所などもサイクルトレインの実施に協力しています。

同区間では2022年4月に9日間の期間限定でサイクルトレインが実施されました。その結果を踏まえ、9月3日(土)からは内容を一部見直した上で、年末年始やゴールデンウィークなどの多客期を除いて通年で実施されます。

平日は五十鈴川駅〜賢島駅間の上下計21本、土休日は松阪駅〜賢島駅間の上下計44本が対象列車となり、サイクルトレインが利用可能であることを示すヘッドマークが掲出されます。自転車を解体せずに持ち込めるのは進行方向から2両目の車両です。乗車券のみで利用でき、追加料金や事前予約は不要です。対象列車以外や区間外を利用する場合はこれまで通り、解体して輪行袋に格納する必要があります(対象駅の路線図、対象列車の時間帯など詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】近鉄 山田線・鳥羽線・志摩線 「サイクルトレイン」を本格実施

レンタサイクルと連携

利用可能台数の目安は各列車8台までとされていますが、車内が混雑していて他の乗客に接触する恐れがある場合は8台以下でも積むことができません。逆に、車内が混雑していない場合は9台以上でも安全に乗車できる範囲で乗車可能です。駅構内の移動はエレベーターやスロープの利用が前提となっており、階段やエスカレーターの利用はできません。また、駅構内の移動に制約がある一部の駅はサイクルトレインの対象外となります。

車内では転倒を防ぐため、つり革や手すりなどに固定するひも等を持参する必要があります。なお、地域の観光協会等が運営する沿線のレンタサイクルを利用すると、自転車に併せて固定具もレンタルすることができます。

近鉄は、鉄道と自転車を融合した新たなお出かけスタイルを提案し、伊勢志摩地域の活性化と魅力発信につなげることを目指しています。特に、鳥羽から志摩沿岸にかけては「太平洋岸自転車道」の一部として国土交通省からナショナルサイクルルートに指定されており、自然豊かな景観とともにサイクリングや周辺の観光を楽しむことができるとしています。