小田急電鉄は、特急ロマンスカーを1日2列車まで定額で利用できるおトクなサブスクリプションチケット「EMot特急パスポート」を期間限定で発売します。
3500〜6000円の4種類
2022年11月24日(木)〜2023年3月31日(金)まで、同社のMaaS(Mobility as a Service)アプリ「EMot」限定のデジタルチケットとして発売されます。ロマンスカーへ定額制サービスを導入するのは初めての試みです。
有効期間は、任意に設定可能な利用開始日から30日間です。期間中、平日の日中時間帯(9:00〜17:59)に小田急線のいずれかを発車するロマンスカーが対象で、1日2列車まで利用できます。「新宿駅〜町田駅」「相模大野駅〜片瀬江ノ島駅」など35kmまでの区間を対象とする3,500円から、小田急線内すべての区間で利用できる6,000円まで4種類のパスポートが用意されます。各料金帯に設定された乗車距離を超えない範囲内であれば、発着駅は毎回、自由に指定して乗車することができます。
利用可能な区間は小田急線内に限られ、直通乗り入れ先の箱根登山鉄道線、東京メトロ千代田線、JR御殿場線の各線内は対象外となります。ただし、御殿場線の松田駅は小田急線内とみなされ、パスポートでの利用が可能です。ロマンスカーは当日、空席がある列車のみ利用でき、アプリ上で座席を指定した電子特急券に引き換えてから乗車します。パスポートは大人用のみの発売で、購入者以外の方への譲渡や共有での利用はできません(4種類のパスポートで利用できる区間など詳細は下の図表を参照)。
何回乗れば元が取れる?
いずれのパスポートも、4往復(8回)のロマンスカー利用で特急券を都度購入するよりも割安となり、繰り返し使うほどおトク度が上がります。仮に20日間往復で利用すると約80%の割引率となり、最大32,000円おトクになる計算です。
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小田急がサブスク商品を発売した背景に、ニューノーマル時代における働き方の多様化があります。就業時間を選択できるシフト勤務やオフピーク通勤、テレワークとオフィス出勤を組み合わせた「テレハーフ」などが推進されており、乗車列車や区間をその都度選べる今回のパスポートは幅広い通勤・通学スタイルにマッチするとしています。また、全車指定席でパソコンを開いての作業ができ、通勤の移動中に付加価値のある時間を過ごすことができる点もアピールしています。平日のみで利用時間制限はありますが、ワーケーションや観光など、多様な利用シーンに合わせて柔軟に利用してもらうことも視野に入れています。
EMotは、小田急がヴァル研究所(本社:東京都杉並区)の支援のもとで開発している共通プラットフォーム「MaaS Japan」を使用しています。電子チケットの効率的な造成や管理運用に強みを持っており、今回の「EMot特急パスポート」のようなサブスクリプション型商品にも対応しています。EMot以外に、他の交通事業者や自治体などが開発するMaaSサービスでの活用事例も増えており、2022年10月時点で累計8億円を超える電子チケット取引で利用されているとのことです。