広島電鉄ダイヤ改正 3号線を区間短縮し100本減便 並行系統の延伸と車両大型化でカバー

広島電鉄は2023年7月24日(月)に電車の市内線と宮島線でダイヤ改正を実施し、区間が重複する系統を再編して運転本数を見直すほか、一部の区間で最終便の時刻を繰り下げます。

市内線各線で運行している元京都市電の広島電鉄1900形電車(TATSU。/写真AC)
市内線各線で運行している元京都市電の広島電鉄1900形電車(TATSU。/写真AC)

1号線の連接車両を増やして輸送力維持

市内線では、紙屋町と広島港を結ぶ宇品線を中心に路線再編が実施されます。同線では現在、広島駅〜紙屋町東〜広島港間の1号線、広電西広島〜広島港間の3号線の電車が運転しているほか、横川駅〜広電本社前間には7号線の電車が乗り入れています。

今回のダイヤ改正では、7号線の運転区間を広島港まで延伸する一方、3号線電車は広島港まで行かず、日赤病院前または広電本社前で折り返すようになります。さらに、3号線は運転時間帯が朝・夕ラッシュ時のみとなり、日中時間帯の運転が取り止められることにより、上下合わせて1日100本程度の減便となります。

これらの再編により、広島港のある宇品地区から横川駅まで直通で結ばれることでJR可部線との接続利便性が高まる一方、西広島方面へは乗り換えが必要になります。日中時間帯の紙屋町〜広島港間はおおむね6分間隔の等間隔となり、待ち時間や車内混雑が平準化されます。

3号線の見直しにより、紙屋町〜広電本社前間では日中1時間あたりの運転本数が4本少なくなるため、1号線の車両大型化により輸送力の維持が図られます。定員数の多い連接車両が朝・夕ラッシュ時間帯に2編成、日中時間帯に1編成追加投入されることにより、終日を通して1号線電車の半数以上が連接車両での運転となります。

(広島電鉄ダイヤ改正による路線の再編前後の路線図、宇品線の日中時の運転本数比較など詳細は下の図表を参照)

【路線図で解説】広島電鉄ダイヤ改正による路線の再編前後の路線図、宇品線の日中時の運転本数比較

宮島線の最終便を最大1時間繰り下げ

郊外路線の宮島線では、利用実態に応じて運転本数の見直しが実施されます。広島駅を21〜22時台に発車する広電宮島口駅行のうち2本は運転区間が短縮され、それぞれJA広島病院前駅行と広電廿日市駅行に変更となります。

特筆すべきは最終便の見直しです。下り方面では広電西広島駅0:17発、商工センター入口駅行の最終便が新たに設けられ、現行の最終便である23:45発(広電廿日市駅行)から32分繰り下げられます。JR山陽本線からの接続も考慮されており、広島駅0:04発の岩国駅行最終列車からの乗り換えが可能です。

また、広電宮島口駅を発車する上り広電西広島駅行の最終便は、現行の22:30発から改正後は23:30発となり、ちょうど60分繰り下げられます。

広電は、新型コロナウイルス感染症拡大による生活様式の変化を考慮し、2020年11月のダイヤ改正で市内線全線と宮島線の最終便時刻をおおむね30分繰り上げていました。今回、宮島線についてはコロナ前の利便性に近づくことになります。

ダイヤ改正ではそのほか、乗降時間に余裕を持たせる目的で所要時間が1分〜数分程度長くなります。白島線を除く市内線の各号線と宮島線が対象で、これにより始発・終発の時刻も現行ダイヤから変更されます。

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