岡山発4方面 観光列車「ラ・マル」で夏の旅 「瀬戸内国際芸術祭」会場 宇野港へも直行

JR西日本は、7月から開催している大型観光キャンペーン「岡山デスティネーションキャンペーン(DC)」の期間中、岡山駅を起点に観光列車「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」を運行します。

観光列車「La Malle de Bois」で運行しているJR西日本213系電車(KUZUHA/写真AC)
観光列車「La Malle de Bois」で運行しているJR西日本213系電車(KUZUHA/写真AC)

列車の愛称は、フランス語で「木製の旅行かばん」を意味します。現代アートやサイクリングを楽しめる瀬戸内エリアへ向け、自転車を積み込めるスペースを有した観光列車として2016年にデビューしました。通常のリクライニング座席のほかに窓側向きのカウンター席が設けられ、アート作家の作品展示、旅やアートにまつわる本の設置などで移動時間も楽しめる工夫がされています。

DC期間の7月〜9月は月ごとに運行方面が変わります。週末を中心に7月は尾道駅・三原駅方面の「ラ・マル しまなみ」、8月は宇野駅方面の「ラ・マル せとうち」、9月は日生駅方面の「ラ・マル 備前長船」として運行されます。そのほか、各月の祝日には瀬戸大橋線を通り琴平駅方面へ行く「ラ・マル ことひら」が設定されます。乗車には乗車券と普通列車指定席グリーン券の購入が必要で、「青春18きっぷ」での乗車はできません。指定席は乗車日の1か月前10:00から全国のJRの主要駅窓口、主な旅行会社で発売されます(運転日、時刻表など詳細は下の図表を参照)。

【時刻表で解説】JR西日本 岡山DC期間中も観光列車「La Malle de Bois」を運転

観光イベントも充実

「ラ・マル しまなみ」が停車する尾道駅の2階には「HOTEL BEACON ONOMICHI(ホテルビーコンおのみち)」が7月13日(水)に開業します。瀬戸内観光の新拠点としてさまざまな施設を有しており、JR西日本オリジナルの黄色い自転車「SHIMANAMI LEMON BIKE」のレンタサイクルも取り扱われます。尾道駅前桟橋から旅客船で約40分の生口島(いくちしま)にある瀬戸田港では、レモン生産量日本一のまちの魅力を伝える「瀬戸田レモン傘プロジェクト」が展開されています。また、7月の「ラ・マル しまなみ」は特別に三原駅まで延長運転され、三原港から広島港までを結ぶ高速クルーズ船「SEASPICA(シースピカ)」と乗り継いで岡山〜広島の横断旅にチャレンジすることもできます。

「ラ・マル せとうち」は、3年に一回開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2022」の舞台である宇野駅へと向かいます。人口が減少する瀬戸内の島々に活力を取り戻すための取り組みとして2010年に初めて開催され、今回で第5回を迎えます。夏の会期は8月5日(金)〜9月4日(日)の計31日間です。宇野港には周辺のゴミや不要物で組み立てられた屋外作品「宇野のチヌ」が展示されており、フェリーに乗って約20分で到着する直島は、美術館やアート作品が至るところにある現代アートの聖地として注目を集めています。

「ラ・マル 備前長船」が向かう岡山県備前市には、全国でも珍しい日本刀の博物館「備前長船刀剣博物館」や、近世日本の教育遺産として知られる「特別史跡 旧閑谷学校」などの観光資源があります。備前長船刀剣博物館では夏季特別展で国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」の特別陳列が行われ、当日の「ラ・マル」グリーン券の提示により観覧予約枠を特別に利用することができます。また、日生駅前港から定期船や遊覧船を運航する大生汽船(本社:岡山県備前市)は、「ラ・マル」の到着時刻に合わせ、水戸岡鋭治氏デザイン監修の「NORINAHALLE(のりなはーれ)」により日生諸島を巡る特別ショートクルーズを実施します。