阪神電気鉄道は2022年12月17日(土)にダイヤ改正を実施し、ラッシュ時間帯の利便性を向上する一方、日中や深夜については運転本数を削減します。
連結解放を省いて速達化
今回のダイヤ改正で大きく変わるのは、近鉄線・阪神なんば線と神戸三宮駅を結ぶ「快速急行」です。これまで、本線の尼崎駅〜神戸三宮駅間を8両編成で運転する快速急行は土休日のみの設定でしたが、これが平日夕ラッシュ時間帯にも拡大されます。同区間は6両編成から増車となり混雑緩和が図られるほか、尼崎駅での連結解放作業が取り止められることにより、所要時間も平均で3〜4分短縮します。
また、現行ダイヤでは、下り快速急行が尼崎駅に停車している間に西宮駅行の本線急行が先に発車するダイヤが組まれていますが、改正後は快速急行が先行するようになり、急行への乗り換えが不要になります。加えて、夕ラッシュ以降の快速急行が武庫川駅と今津駅にも停車するようになり、大阪難波駅方面とを乗り換えなしで利用できる駅が増加します。
なお、快速急行は平日の日中時間帯以降、芦屋駅への停車が取り止められます。ダイヤ改正後の快速急行の停車駅は、芦屋駅に停車し武庫川駅・今津駅を通過する「平日朝ラッシュ」と、芦屋駅を通過して武庫川駅・今津駅に停車する「平日日中・夕ラッシュおよび土休日」の2パターンに集約され、わかりやすさ向上が図られます。
そのほか、平日朝ラッシュ時間帯では、大阪梅田駅7時台発の甲子園駅行「急行」の2本について、種別が「区間急行」へと変更されます。これにより、急行が停まらない福島駅、千船駅、鳴尾・武庫川女子大前駅の下り方面の利用が便利になります(ダイヤ改正の概要など詳細は下の図表を参照)。
山陽直通特急の終電24分繰り上げ
一方で、平日の日中時間帯に1時間あたり3本運転している快速急行は2本に減便され、おおむね30分間隔での運転にに見直されます。平日ダイヤにおける快速急行は、1日あたり上下各8本の減便となります。同時に、大阪梅田駅〜尼崎駅間運転の急行が1時間に1本、西宮駅まで延長されることにより、大阪梅田駅〜西宮駅間の運転本数は改正後も変わりません。なお、土休日ダイヤは現行通り、快速急行はおおむね20分間隔の本数が維持されます。
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阪神は2021年3月13日に最終列車の繰り上げを実施しましたが、今回もさらに時刻が見直されます。新型コロナウイルス感染症の影響が続き、深夜時間帯の利用が特に大きく減少しているとのことです。本線、阪神なんば線、神戸高速線の各方面で終電繰り上げが行われるほか、乗り入れまたは接続する他社線でも時刻の見直しが予定されています。
例えば、山陽姫路駅行「直通特急」最終列車の大阪梅田駅発車時刻は、23:00から22:36へと24分繰り上がります。また、平日ダイヤのみに設定されている、大阪梅田駅0:20発の御影駅行「急行」は運転取り止めとなり、本線各駅への終電は各駅に停車する普通列車に統一されます。