JR東日本は2023年3月18日(土)にダイヤ改正を実施し、京葉線では新駅「幕張豊砂駅」を開業するほか、朝夕ラッシュ時間帯に列車を増発、その他の時間帯は輸送体系を見直します。
「イオンモール」目の前
新習志野駅〜海浜幕張駅間に開業する幕張豊砂駅(千葉市美浜区)は、両駅からそれぞれ約1.7km離れており、大型商業施設「イオンモール幕張新都心」をはじめとした開発が進んでいる地区に位置しています。千葉県とイオンモール(本社:千葉市美浜区)、千葉市の3者が整備費用を負担した請願駅で、2018年4月にJR東日本と駅建設の基本協定を結び、2020年7月から工事が進められてきました。
駅名は2021年6月の1か月間に公募が行われ、1万4千件以上の応募総数の中から決定しました。古くからの地域名である「幕張」に、新駅が位置する「豊砂」の地名を加えることで、利用客や周辺住民にわかりやすい名称とされました。また、これから大きく発展する可能性を秘めているエリアであることと、地名の響きの良さも相まって、“将来豊かになってほしい”という意味も込められているそうです。
新駅はダイヤ改正日の始発電車から営業を開始し、各駅停車の全列車(武蔵野線直通を含む)が停車します。下りホームが1階、上りホームが2階にある珍しい構造で、バリアフリー施設として、駅舎から上りホームまでのエレベーター1基と多機能トイレが設置されます。また、千葉市の事業として整備中の駅前広場についても、駅開業日と同時期に使用を開始できるよう調整が行われています(幕張豊砂駅周辺の路線図、京葉線増発列車の時刻表など詳細は下の図表を参照)。
西船橋〜東京・海浜幕張間で増発
京葉線では、平日の朝通勤時間帯に西船橋駅から東京駅行、海浜幕張駅行の各駅停車がそれぞれ1本増発されます。また、現行ダイヤで武蔵野線からの8両編成で運転しているピーク時間帯の東京駅行列車は、1本が西船橋駅始発の10両編成に置き換えられ、混雑緩和が図られます。併せて、南船橋駅行・新習志野駅行で運転している平日朝の2列車について、運転区間がともに海浜幕張駅まで延長されます。
平日は夕方時間帯にも東京駅、海浜幕張駅から西船橋駅行の各駅停車が各1本増発され、今回の京葉線ダイヤ改正は西船橋駅方面の利便性向上が主体となっています。
一方で、東京駅〜蘇我駅間の快速列車は一部が各駅停車化され、運転本数も見直されます。これにより、現在は蘇我駅21時台発まで設定されている上りの快速列車の運転時間帯は、改正後は18時台までと大幅に前倒しされます。なお、下り快速の運転時間帯は現行から変わりません。
京葉間ではそのほか、総武線各駅停車で利用状況に合わせた運転本数の見直しが実施されます。また、総武線快速は、現在は5〜6本となっている日中時間帯の1時間あたり運転本数が減らされ、毎時5本となります。これにより、現在は1時間あたり1本または2本設定されている成田空港駅発着の快速列車は、毎時1本に統一されます。