熊本・阿蘇・別府を結ぶJR九州「あそぼーい!」 今年で10周年 親子で楽しめる列車の旅

JR九州のD&S列車(観光列車)、特急「あそぼーい!」が2011年6月4日に運行を開始してから10周年を迎えます。

立野駅〜赤水駅間のスイッチバックを走行するJR九州キハ183系気動車 特急「あそぼーい!」(Norimasa/写真AC)
立野駅〜赤水駅間のスイッチバックを走行するJR九州キハ183系気動車 特急「あそぼーい!」(Norimasa/写真AC)

運行開始当初の特急「あそぼーい!」は、熊本駅〜宮地駅間で運転していました。2021年7月の九州北部豪雨、2016年4月の熊本地震の影響で豊肥本線が一部不通となったことにより、鹿児島本線などほかの路線で暫定運転を行っていた時期もありました。2020年8月の豊肥本線全線復旧にあわせて運転区間が現在の熊本駅〜別府駅間に変更され、土日祝日を中心に1日1往復、全区間を約3時間20分で結んでいます(運転時刻と運転日カレンダーは下表を参照)。

キハ183系気動車が改造された車体には、「あそぼーい!」のマスコットキャラクター「くろちゃん」が至るところに描かれています。車両両端にある180度全面展望のパノラマシートからは、運転士と同じ視界で阿蘇の大景観を満喫することができます。立野駅にある、進行方向を変えながら急勾配を進むスイッチバックでは、車内を移動する運転士にエールを送るのが恒例行事となっています。

3号車は「ファミリー車両」となっており、大人1名の指定席料金で幼児1名と一緒に座れる「白いくろちゃんシート」では、床か高く設計されているため子どもが座ったまま車窓を楽しむことができます。同じ号車には「木のボールプール」「絵本コーナー」など子どもが遊べるスペースや、子ども用の低いカウンターもある車内販売スペース「くろカフェ」があり、親子での列車の旅が楽しめる工夫が詰まっています(新型コロナウイルス感染防止のため、一部の設備の利用が中止されている場合があります)。

【時刻表で解説】JR九州 特急「あそぼーい!」

2021年6月19日(土)8:50頃から、熊本駅3番のりばでは10周年を祝した出発セレモニーが執り行われ、熊本県営業部長の「くまモン」と熊本駅長の合図により出発します。このセレモニー当日、沿線の主な駅で出迎えや見送りなどのおもてなしが実施されるほか、車内でも沿線自治体からのお土産がプレゼントされます。

車内販売では、10周年を記念した「くろちゃんトートバック」が新たに販売されます。「あそぼーい!」の車体に使用されている「白・黒・黄」を基調としており、いろいろな表情のくろちゃんがデザインされています。Mサイズ(3,500円)とSサイズ(2,500円)があり、親子セット(5,500円)で買うと少しおトクになります。車内販売ではそのほか、「くろちゃん弁当」「あか牛メンチカツサンド」「こどもぷりん」などの人気商品がラインナップされています。