JR西日本は、自転車とそのまま一緒に列車に乗ることができるサービス「きのくに線サイクルトレイン2023」を引き続き通年で実施します。
朝の一部列車以外は全列車OKに
紀伊半島の海岸線を走るきのくに線のサイクルトレインは、2021年9月からの実証実験を経て、同年12月から「きのくに線サイクルトレイン2022」として本格運用が始まりました。「サイクルツーリズム」を推進する和歌山県や、地元の協力を得ながら充実化が図られ、これまでに利用区間の拡大や、特急「くろしお」へのサービス拡大などが実現しています。太平洋岸自転車道をはじめとするサイクルコースへ効率的に出掛けられる手段として認知度が高まっており、サイクルトレイン開始後1年間で合計7,500人を超える利用があったとのことです。
2年目となる2023年は、サイクルトレインをより利用しやすいものとするため、利用時間の拡大や設備改良などの取り組みが行われます。
御坊駅〜新宮駅間の普通列車を利用する場合、各駅とも自転車の折りたたみや解体、輪行袋への収納は不要です。利用時間は従来、「平日は9時から終電まで」「土休日は終日」となっていましたが、今後は、月曜〜土曜の朝、通学で混雑する6本の列車を除いて、すべての列車が対象となります。なお、学校が長期休暇となる春・夏・冬休み期間は終日、全列車で利用可能です。
また、自転車を持ち上げずに駅舎からホームへ移動できるよう、周参見駅と串本駅の跨線橋には階段スロープが追加されます。2022年2月には新宮駅の階段にもスロープが設置されており、利用環境の整備がさらに進められます。
2022年10月から開始した、特急「くろしおサイクル」のサービスも継続します。特急「くろしお」のうち、白浜駅〜新宮駅間限定で1両がサイクリスト専用車両として運用され、自転車を持参して横並び4席を一人で専有できます。利用できるのは白浜駅、串本駅、紀伊勝浦駅、新宮駅の4駅で、改札口では自転車を解体せずそのまま格納できる専用カバーが無料で貸し出されます(「きのくに線サイクルトレイン」利用区間の路線図など詳細は下の図表を参照)。
「なななチャンネル」監修のロゲイニング
この冬の「きのくに線サイクルトレイン」をより楽しめるイベントとして、エリア内のチェックポイントを自転車で巡るスタンプラリー「ロゲイニング2023」が初めて開催されます。誰でも参加しやすい観光周遊型のイベントで、日本全国を自転車で駆け巡るサイクリングYouTuberなななさんが運営するYouTubeチャンネル「なななチャンネル」が監修しています。
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チェックポイントはサイクルトレインの拠点となる白浜駅、紀伊勝浦駅をはじめ、白浜町・那智勝浦町・太地町の景勝地やカフェなど計8か所に設置されています。スマートフォン地図アプリ「Map Life」からエントリーし、5か所以上でチェックインを行うと、「サイクルトレイン賞」としてオリジナルコラボデザインの“サコッシュ”が先着300名にプレゼントされます。
さらに、特急「くろしおサイクル」を利用すると、人気の自転車アイテムや紀南特産品などの商品が当たる「くろしおサイクル賞」も用意されています。また、ロゲイニング参加中の写真をSNSに投稿すると、抽選でオリジナルステッカーがもらえる「なななフォトミッション」も同時開催されます。
なななさんは「各スポットや景品など、いろいろなことをJR西日本さんと相談しながら監修させていただいた、かなり思い入れの強い企画になっています。たくさんの方に参加していただきたいです」と意気込みを語っています。