JR西日本は2023年3月18日(土)にダイヤ改正を実施し、芸備線で快速「みよしライナー」の運転本数を増やして速達化を図るほか、福塩線や呉線では減便や運転区間の短縮を行います。
広島〜三次間は高速バスと競合
芸備線では、昼間時間帯に普通列車の一部が快速「みよしライナー」に置き換えられます。広島駅を13時台に発車する列車を例にとると、広島駅から三次駅までの所要時間は普通列車が1時間50分、快速列車は1時間22分で、おおむね30分早く到着するようになります。
広島県北部の要衝の地である三次市と広島市街地との間には、広島電鉄(広島市)と備北交通(広島県庄原市)が高速路線バスを共同運行しています。高速バスの所要時間は1時間40分程度ですが、約30分間隔という高頻度で運転しており、本数面で芸備線より優位に立っています。運賃は高速バスの1,620円に対し、芸備線は1,340円とやや有利です。
JR西日本は、所要時間で高速バスに勝る快速を多く設定したダイヤとし、広島・三次両エリアの相互の行き来の利用拡大を図ります。その反面、快速が停車しない途中駅での乗車機会減少が伴います。
競合関係にある2つの交通機関ですが、近年、JRとバス2社が連携した割引乗車券「バス&レールどっちも割きっぷ」が発売され、共存共栄の気運が高まっています。広島〜三次間の芸備線と高速バスを片道1回ずつ乗車できるもので、三次市からの支援を受けて1セット2,000円という割引価格で発売され、好評を博しているということです(ダイヤ改正前後の主な駅の時刻表比較など詳細は下の図表を参照)。
山陽線の岩国以西がワンマン運転に
芸備線ではそのほか、平日の夕通勤時間帯で運転間隔が開いている三次駅発18時台に、広島駅行の普通列車が新しく設定されます。一方、現行ダイヤで三次駅からの最終列車である21:48発の広島駅行は運転取り止めとなり、三次駅の最終列車は21:07発に繰り上がります。
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広島エリアでは利用状況に合わせ、福塩線の福山駅〜府中駅間で昼間時間帯に1往復の列車が運転取り止めとなります。呉線では、昼間時間帯の広駅発・三原駅行の列車1本の運転が取り止められるほか、夕時間帯にも三原駅・糸崎駅間〜安浦駅間で1往復の減便が行われます。なお、両線とも列車の見直しに合わせ、前後の運転間隔の調整が行われます。
山口エリアでは、山陽本線の岩国駅〜下関駅間に初めてワンマン運転が導入され、一部の列車を除いて終日、ワンマン列車となります。また、現在は昼間時間帯を中心にワンマン運転を行っている宇部線の新山口駅〜宇部駅間および、山陰本線の小串駅〜下関駅間は、ワンマン運転時間帯が終日に拡大します。