3年目突入「HOKKAIDO LOVE! ひとめぐり号」 JAL客室乗務員と北海道鉄道旅 ルートは?

日本航空(JAL)とJR北海道は、多目的特急車両「ラベンダー」「はまなす」編成を使って北海道を周遊する貸切列車「HOKKAIDO LOVE! ひとめぐり号」を2023年度も運行します。

日本航空とJR北海道が企画した「HOKKAIDO LOVE! ひとめぐり号」2022年度の運行イメージ(画像提供:JR北海道)
日本航空とJR北海道が企画した「HOKKAIDO LOVE! ひとめぐり号」2022年度の運行イメージ(画像提供:JR北海道)

今年は過去最多の5回運行

「HOKKAIDO LOVE! ひとめぐり号」は、北海道の観光産業を盛り上げるため、JALとJR北海道が「空と陸との連携」により実現させた取り組みです。2021年10月に初めて設定され、2022年9〜10月に続いて、2023年度で3シーズン目の催行となります。

企画は全国の方を対象としており、一つの列車に乗って秋の道東エリアをひとめぐりし、北海道の風土や鉄道旅を楽しんでもらおうというものです。2022年度は全4回運行されましたが、好評だったとのことで、2023年度の運行回数は過去最多の5回へと増やされます。

2023年9月29日(金)〜10月27日(金)の間、毎週金曜に札幌駅を出発し、道東方面を周遊して翌週月曜に同駅に戻ってくる各4日間のコースで運行します。JR北海道と東急が連携して2020年夏から運行を開始したクルーズ列車「THE ROYAL EXPRESS 〜HOKKAIDO CRUISE TRAIN〜」で得た知見が活かされており、ルート設定のコンセプトは共通です。

2022年は運行経路が多様化され、稚内駅から函館駅までを南北に縦断するコースが初めて設定されました。今年はこれまでのコンセプトを大切にして運行を継続する方針がとられ、5回とも札幌駅発着で道東をひとめぐりする行程に統一されます。その上で、釧路駅〜根室駅間の花咲線を往復する経路については昨年に引き続き、一部の日程に取り入れられます(「HOKKAIDO LOVE! ひとめぐり号」の運転ルート路線図、各ツアーの日程と運転区間など詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】「HOKKAIDO LOVE! ひとめぐり号」の運転ルート路線図、各ツアーの日程と運転区間

「クルーズ列車」のルートをお手頃価格で

「HOKKAIDO LOVE! ひとめぐり号」の企画には、JALの客室乗務員のうち、北海道に故郷やゆかりのある「JALふるさとアンバサダー」が携わっています。地域活性化につながる仕事がしたいという思いを持つメンバーが実際に北海道に移住し、地域資源を活用したコンテンツや商品の開発といった仕事を地域の方々とともに取り組んでいます。

沿線地域からのメッセージを車内アナウンスで紹介したり、参加者だけの特典配布の時間を設けたりと、移動時間を楽しめる工夫が考案されています。JALの選抜社員「JALふるさと応援隊」もアンバサダーに加えて同行するほか、地域の方々のお出迎え、お見送りなども計画されています。列車名の「ひとめぐり」には、北海道を故郷にする「人」との「巡り」会いの意味も込められています。

2022年度の運行では、夕張川や釧路川、別当辺牛湿原などの景勝地にさしかかると、じっくり鑑賞できるよう、列車の速度を落として運転するサービスも実施されました。今年度の具体的な取り組みについては、地域の方々と相談を進めながら後日発表するとのことです。

ツアー商品は阪急交通社(本社:大阪市)、JTB(本社:東京都品川区)、クラブツーリズム(本社:東京都新宿区)、ジャルパック(本社:東京都品川区)および読売旅行(本社:東京都中央区)が販売します。東京・中部・関西など、出発エリアは全国に幅広く設定されます。

販売価格は出発地やコースにより異なりますが、すでに発表されている最も安い旅行代金は大人1名139,000円(読売旅行)です。使用車両のグレードは大きく違うものの、基本料金が最低820,000円からという「HOKKAIDO CRUISE TRAIN」のプランと比べると、かなりカジュアルな設定と言えます。

【サケのふるさと 千歳水族館】国内外のさまざまな淡水魚を観察することができるほか、魚たちと触れあえる体験コーナーや、サケと人との関わりを楽しく学べるコーナー等も充実しています (提供:KKday)