大阪府箕面市と北大阪急行電鉄は、延伸工事を進めてきた南北線延伸線の千里中央駅〜箕面萱野駅間について、開業日を2024年3月23日(土)とすることを決定しました。
延伸で「年間614億円の経済波及効果」
江坂駅〜千里中央駅間の南北線を北へ約2.5km延伸する計画は、2016年(平成28年)に事業化されました。箕面市内に「箕面船場阪大前駅」「箕面萱野駅」の2つの新駅が設けられ、Osaka Metro(大阪メトロ)御堂筋線との相互直通運転により新大阪や梅田、なんばなど大阪都心部へ乗り換えなしでアクセス可能となります。
千里中央駅から途中の箕面船場阪大前駅手前までの区間は北急、それ以北の区間については箕面市が土木構造物を、北急が鉄道設備をそれぞれ整備する役割分担で工事が進められています。総事業費874億円のうち北急の負担額は110億円で、残りは国の交付金や市と大阪府の財源により賄われます。
開業日は、工事の進捗が順調であることと、各種試験や検査の実施におおむね目処がついたことなどを総合的に判断して決めたとしています。また、国に提出した運賃申請が2023年8月9日(水)認可され、延伸区間の乗車に対する加算運賃(大人60円)を含む上限運賃が開業後の実施運賃としてそのまま適用されます。
市の需要予測によると、延伸線には1日約4万5千人が乗降すると見込まれています。また市は、周辺地価の上昇や延伸工事に伴う初期効果として3227億円、駅前整備や周辺の利便性向上による人口や商業施設の増加で年間614億円の経済波及効果が生まれると試算しています。
箕面萱野駅にはバスターミナルが整備され、ここを核として東西方向へ発着するバス路線が大幅に再編されます。市によると、箕面市域の移動手段がマイカーから公共交通へとシフトすることで、国道423号(新御堂筋)をはじめとする幹線道路の渋滞緩和、環境負荷低減効果も期待できるとのことです。
(北大阪急行延伸線を含む路線図、ポスターと「箕面ラッピングトレイン」のデザインなど詳細は下の図表を参照)
「箕面ラッピングトレイン」の愛称も決定
北急は、開業までの期待感の醸成を目的に延伸線の開業プロモーションを展開していますが、開業日の公表に合わせてより具体的な内容に刷新します。
第2弾として制作されたPR動画やポスターには開業日が大きく明示され、2つの新駅から大阪の大動脈、御堂筋線まで一本でつながる利便性がストレートに表現されています。自社線の駅や車内のほか、大阪メトロ梅田駅周辺、阪急電鉄・阪神電気鉄道の大阪梅田駅周辺でもポスター掲出やデジタルサイネージによりPRを行います。
9月2日(土)には、「meet in MINOH!! (北大阪急行に乗って、箕面で出会おう。)」と題した開業日周知イベントが阪急大阪梅田駅「ビッグマン前イベントスペース」で開催されます。箕面市マスコットキャラクター「滝ノ道ゆずる」が登場するほか、箕面船場繊維団地が取り扱うオリジナルハンドタオルの配布、新駅周辺の魅力を紹介するフリートーク、プレゼント抽選会などが予定されています。
延伸に合わせて北急が増備する3編成の新造車両には、箕面らしさが表現された2種類のデザインがラッピング装飾されます。箕面市が愛称を募集して選考した結果、うち2編成は「箕面四季彩もみじ号」、もう1編成は「ゆずるとモミジーヌ仲良しトレイン号」に決まりました。延伸開業に先駆けて8月1日(火)から千里中央駅〜なかもず駅間で順次運行を開始しています。