半分は“グリーン車”に 新しい観光列車「ひなび」 北東北に今冬デビュー 料金も明らかに

JR東日本盛岡支社は、2023年度冬頃から岩手・青森両県の各線区で運行を開始する新しい観光列車「ひなび(陽旅)」について、改造工事中の写真と車両の概要、料金を明らかにしました。

新しい観光列車「ひなび(陽旅)」への改造工事を受けている、かつて「リゾートあすなろ」として運行したJR東日本HB-E300系ディーゼルハイブリッド車両(画像提供:JR東日本)
新しい観光列車「ひなび(陽旅)」への改造工事を受けている、かつて「リゾートあすなろ」として運行したJR東日本HB-E300系ディーゼルハイブリッド車両(画像提供:JR東日本)

かつての「リゾートあすなろ」を改造工事中

ベースとなる車両は、2010年12月に運行を開始し、津軽線や大湊線などで主に活躍したディーゼルハイブリッド車両HB-E300系の「リゾートあすなろ」です。2023年8月20日(日)に最終運行を行い、1編成は「ひなび」に、もう1編成は2024年春頃から宮城・福島・山形の各県を中心に運行する「SATONO(さとの)」へリニューアルすべく、改造工事が行われています。

ひと足早くデビューする「ひなび」のコンセプトは「北東北の自然」と「地域とのつながり」です。山や川、波などの自然風景が描かれた外装には「紐」や「梅結び」のモチーフも取り入れられており、四季折々の自然や地域との結びつきが表現されています。列車名は、岩手・青森の自然を感じながら「ぬくもりのあるゆったりとした旅」をしてほしいという思いが込められています。

2両編成で、車両ごとに座席バリエーションが分けられています。1号車はグループ旅行でくつろげるよう、大型のテーブルを備えた4人掛け(12席)および2人掛け(10席)ボックスシートが設置されます。そのほか、窓側に向いた1人掛けシートも3席用意されます。2号車には2人掛け(32席)および1人掛け(2席)のリクライニングシートが並びます。

(新しい観光列車「ひなび(陽旅)」のデザインと改造工事中の内装写真、座席配置図など詳細は下の図表を参照)

【図表で解説】新しい観光列車「ひなび(陽旅)」のデザインと改造工事中の内装写真、座席配置図

普通車とグリーン車の料金差は倍以上

今回の発表では、ボックスシート中心の1号車について、乗車券のほかにグリーン券が必要な「グリーン車」として運行することが明らかになりました。これまでの「リゾートあすなろ」にはグリーン車の設定はなく、居住性を高めて乗車単価を上げることで観光列車の収支改善を目指します。

グリーン料金は営業キロ150kmまでが2,000円、150km以上が3,000円(大人用、以下同じ)です。JR東日本は、管内で運行している「のってたのしい列車」(観光列車)の料金を2023年10月1日(日)乗車分から見直します。「ひなび」のグリーン料金は、「SLばんえつ物語」のグリーン車に適用される料金設定と同水準になります。

リクライニングシートの2号車は従来通りの普通車として運行し、通年840円の指定席券を購入すれば利用可能です。こちらも、他ののってたのしい列車に適用される改定後の料金と同額です。

いずれの号車にも、運転台の後部に側面窓が大型化された「展望室」があります。腰掛けやソファーも設置された広々とした空間で、北東北の豊かな景観をゆったりと楽しむことができます。なお、1号車の展望室はグリーン券をお持ちの方のみが入室できます。

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