阪急に新型車両 「疾走感」デザインの2000系 京都線2300系に座席指定サービス初導入

阪急電鉄は京都線の新型特急車両「2300系」、神戸線・宝塚線の新型通勤車両「2000系」をそれぞれ新造して2024年夏から順次運用を開始し、京都線2300系には同社初の座席指定サービスも導入します。

京都線の新型特急車両として2024年夏に導入が予定されている阪急2300系電車の外観イメージ(画像提供:阪急電鉄)
京都線の新型特急車両として2024年夏に導入が予定されている阪急2300系電車の外観イメージ(画像提供:阪急電鉄)

伝統の「マルーン車体」「オリーブ色座席」はどうなる?

マルーンカラーの車体や木目調の化粧板、ゴールデンオリーブ色の座席といった「阪急電車」の普遍的なスタイルは、2022年度の「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞し、時代を超えて沿線のイメージを形づくる存在と認められました。

2013年(平成25年)以来11年ぶりのモデルチェンジ車両となる2300系・2000系は、開発コンセプトに「安心と快適、そして環境に配慮した新しい阪急スタイル」が掲げられました。伝統ある「阪急電車」のイメージを継承しつつ、バリアフリー設備や安全性、省エネ性能などが時代に即したレベルへと磨き上げられます。

セミクロスシート仕様の2300系、ロングシート仕様の2000系はともに車体前面が新デザインとなり、窓ガラスに曲線を取り入れることにより時代の先端を行く「疾走感」が醸し出されています。車内は落ち着いた雰囲気が踏襲され、ロングシート端部の袖仕切りを半透明の素材に変更することで開放感も併せ持った内装となります。

現行の最新車両である1300系・1000系に続いて、日立製作所が推進する車両製造システム「A-train」の特色であるアルミダブルスキン構造が採用されます。VVVFインバータ制御装置には最新の高効率な半導体素子が用いられ、既存車両と比較して消費電力量を約60%削減できるとのことです。また、車外側面のLED行先表示器は走行中に消灯することとし、さらなる省電力化を実現します。

(阪急の新型車両2300系・2000系の内装イメージ、車いすスペース周辺の改善、主要諸元など詳細は下の図表を参照)

【図表で解説】阪急の新型車両2300系・2000系の内装イメージ、車いすスペース周辺の改善、主要諸元

大阪方から4両目は「40席」の座席指定に

車内を詳しく見ると、特に車いすスペースを中心としたバリアフリー設備が拡充されていることがわかります。車いすやベビーカー利用者のほか、スーツケースなどの大型荷物を持っていても利用しやすいよう、両先頭車両に限って車いすスペース横の座席が撤去され、スペースが大幅に拡大します。

すべての車いすスペースに「車いす固定具」が新たに設置されるほか、壁面の手すりは2段式になって安全性と利便性が向上します。従来は連結部にあった非常通話装置は、異常時に使いやすい乗降ドア横へと移設されます。車いすスペースと優先座席付近の吊り手は高さが低く設定され、吊革に「色覚の多様性」に配慮した配色を施すことで離れた場所からでもスペースが認識しやすくなります。

ロングシート(2300系は優先座席)には、座席の端部に加えて中間部にも握り棒が設置され、座席からの立ち上がりや立っているときのサポート性と安全性が向上します。空調装置は阪急では初めて、動作音が静かなインバータ式が採用されます。花粉や細菌、ウイルスの除去機能を持つ空気清浄機の設置も同社初となります。迷惑行為や犯罪抑止、想定外への備えのために防犯カメラも設置されます。

阪急は、2300系で運用する京都線列車の大阪方から4両目に、同社初となる座席指定サービスを導入することを併せて発表しました。対象列車や料金などの詳細なサービス内容は後日発表するとしています。通常の中間車両は立ち客を含めて定員124人のところ、座席指定サービス提供時は40人とされており、ゆったり乗車できる車両になることは間違いありません。

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