東京都交通局は、日暮里・舎人ライナーに定員数の多い新型車両を12編成導入し、既存車両を置き換えることで朝ラッシュ時間帯の混雑緩和を目指します。
ロングシート化で定員増
三菱重工エンジニアリング(MHIENG、本社:横浜市)が製造し、2015年度・2019年度に計3編成(1編成5両)が導入された330形は、シート配列をすべてロングシートとすることで輸送定員を大幅に増やした車両です。今後、2024年度までに12編成が追加で導入されることが決まり、最初の1編成は2022年6月25日(土)に運行を開始します。
快適性を追求した次世代ロングシート「G-Fit」や、軽量で低振動・低騒音にも寄与する台車「T-smover」など、導入済みの3編成と同様にMHIENGの独自技術が採用されています。また、車内防犯カメラの設置、フリースペースの全車両設置など、セキュリティや快適性の向上にも配慮されています(既存車両との比較など詳細は下の図表を参照)。
通勤時の激しい混雑が問題に
日暮里・舎人ライナーは沿線の発展に従い通勤・通学利用者が堅調に増加し、最混雑区間(赤土小学校前駅→西日暮里駅)における朝ピーク1時間の混雑率は、2019年度調査で189%でした。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2020年度は140%に下がったものの、東京圏の全鉄道路線で最も混雑している区間の一つとなっており、利用者や沿線自治体の足立区などから混雑対策が強く求められています。
今後の新車投入は輸送力の増強による混雑緩和が主目的で、一部クロスシート配置で定員数の少ない既存車両300形が12編成分置き換えられます。導入完了後は、日暮里・舎人ライナー全編成の8割が全面ロングシート車両となります。