JR西日本は2023年3月18日(土)にダイヤ改正を実施し、瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」と山陽新幹線との乗り換え時間を改善して四国方面との所要時間短縮を図ります。
東京・新大阪から高松へ所要時間短縮
東海道・山陽新幹線では全線にわたって「のぞみ」の運転間隔が平準化され、毎時の発車時刻パターンが全面的に変わります。併せて、1時間あたりおおむね2本運転している岡山駅〜高松駅間の「マリンライナー」も運転時刻が微調整され、岡山駅での新幹線との相互の乗り換えがスムーズになります。
昼間時間帯の基本的な運転パターンを詳しく見てみます。東京駅・新大阪駅方面から「のぞみ」などに乗車し、岡山駅で「マリンライナー」に乗り換えて高松駅方面に向かう際、乗換時間は現行、おおむね20〜25分となっています。ダイヤ改正後は新幹線の岡山駅到着時刻が変更となり、乗換時間はおおむね8〜17分に短縮します。
逆に、高松駅発の「マリンライナー」から新幹線へ乗り継ぐ際も、岡山駅での接続時間は現行21〜25分ですが、改正後は8〜18分となり、より少ない待ち時間で乗り継げるようになります。
結果的に、東京駅〜高松駅間の平均所要時間は4時間24分と、現行より6分、最大18分短縮します。また、新大阪駅〜高松駅間の所要時間は1時間55分となり、平均で4分、最大で16分短縮されます。
なお、今回の改正では新幹線と予讃線特急「しおかぜ」の接続も改善され、新大阪駅〜松山駅間の所要時間は平均で3分短縮の3時間43分となります(新幹線と快速「マリンライナー」との乗り換え例など詳細は下の図表を参照)。
本数削減で“1時間に1本”維持できず
今回のダイヤ改正で岡山エリアでは、朝の通勤・通学時間帯の利便性向上のため、山陽本線の岡山駅〜福山駅間で1往復、普通列車が新たに設けられます。一方で、利用状況に合わせ、岡山駅〜糸崎駅間および万富駅〜岡山駅間で朝時間帯に運転を取り止める列車があります。
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宇野線では、昼間時間帯に茶屋町駅〜宇野駅間の列車2往復が削減されます。赤穂線でも、播州赤穂駅〜長船駅間で昼間に2往復の列車が運転取り止めとなります。
これらの区間では、現行ダイヤでおおむね1時間あたり1本の列車が設定されています。ダイヤ改正により、運転を取り止める列車の前後の運転間隔が調整されるものの、減便による利便性の低下は避けられません。