JR東日本は、走行中の消費電力を抑えた新型車両「E131系」を2023年12月24日(日)から鶴見線に順次導入し、2023年度中に現行車両の205系をすべて置き換えます。
海沿いイメージの爽やかなスカイブルー
E131系は、ワンマン運転に対応する機器を搭載したローカル電化線区向けの新世代車両シリーズで、2020年以降、房総地区や相模線、宇都宮線・日光線で営業運転を開始しています。
鶴見線仕様は、海沿いを走る爽やかな雰囲気を表現したスカイブルーの外観が特徴的です。車両前面のドット柄は、旧型国電や205系など鶴見線で活躍した歴代の車両色をイメージしたものになっています。
鶴見線E131系には幅2778mmのストレート車体が採用されており、幅2950mmの拡幅車体で設計された相模線など他線区向けのE131系と大きく異なる点です。省電力化のため主回路機器にSiC(炭化ケイ素)半導体素子を採用している点、線路設備の状態監視機能などモニタリング技術を活用している点など、環境性能や安全・安定性の向上に向けた技術を投入している点は共通です。
(鶴見線新型車両E131系の主な特徴と客室写真、従来車両205系、E131系相模線との比較など詳細は下の図表を参照)
JR東日本で205系健在の区間は?
現在は鶴見線の各区間で試運転が行われているE131系ですが、2023年度中に8編成24両が導入され、現行の205系を置き換える予定です。駅停車中の乗降を乗務員が運転台から確認できるよう、車両側面にはカメラが搭載されていますが、鶴見線でのワンマン運転の開始時期については現時点では公表されていません。
鶴見線と接続する南武線の支線、尻手駅〜浜川崎駅間もこれまで205系が運用されていた区間ですが、新潟エリアから転用・改造された「E127系」車両が2023年9月13日(水)から導入されています。
国鉄時代から通勤輸送を支えてきた205系ですが、鶴見線・南武支線での車両置き換えにより首都圏からは姿を消します。JR東日本管内で205系の最後の活躍の場となるのは東北エリアの仙石線で、こちらには19編成76両が在籍しており、当面は現行のまま運用されることが見込まれます。