JR西日本は2024年3月16日(土)にダイヤ改正を実施し、観光客を中心に混雑が激しい嵯峨野線や、沿線テーマパークの拡充で利用の増加が見込まれるJRゆめ咲線で普通列車を増発します。
コロナ禍減便から3年ぶり「嵯峨嵐山行」復活
嵯峨野線は京都を代表する観光スポットが集積する嵯峨野・嵐山エリアを通り、旅行需要の回復や訪日観光客の増加によって日中時間帯を中心に激しい混雑が発生しています。JR西日本は行楽シーズンに臨時列車の増発や車両の増結を行い、一部の特急列車を嵯峨嵐山駅に臨時停車させる機動的な対処で輸送力の確保を図ってきました。
昨今の混雑は、新型コロナウイルス感染症拡大を受けた2021年3月のダイヤ改正で日中時間帯、京都駅〜嵯峨嵐山駅間の普通列車が減便されたことも影響しています。2023年10月には京都府の西脇隆俊知事がダイヤの見直しを含む異例の要望書をJR西日本に提出しています。このとき同社は、すべての便数復活は難しいが、各列車の利用状況を踏まえて判断すると回答していました。
今回のダイヤ改正では、利用の多い日中に京都駅〜嵯峨嵐山駅間で区間運転する普通列車が上下合わせて12本増発されます。快速を含めた運転本数は1時間あたり4本から5本へとコロナ前の水準まで回復し、4両編成の一部列車を6両・8両編成に増結するなど、この区間については混雑の緩和を主題とした府の要望が実現することになります。
(JR西日本京阪神エリアのダイヤ改正内容、嵯峨野線・JRゆめ咲線・奈良線の時刻表など詳細は下の図表を参照)
USJ「ドンキーコング」に合わせJRゆめ咲線も増発
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市此花区)では、任天堂ゲームの世界を再現した「スーパー・ニンテンドー・ワールド」に2024年春、人気タイトル「ドンキーコング」をテーマにした新エリアが開業します。アクセスを担うJRゆめ咲線はさらに多くの利用が見込まれるため、来園者と通勤利用者が集中する7:30〜8:30の1時間、桜島駅方面の列車が8本から10本へと増発されます。
奈良線では、平日夕方の通勤時間帯に宇治駅行で運転している京都駅発の普通列車1本が城陽駅行に延長されます。この列車は後続の快速列車に抜かされずに城陽駅まで先着するため、京都駅からJR小倉駅・新田駅・城陽駅まで利用できる列車の選択肢が増えます。
和歌山エリアでは、和歌山駅で阪和線やきのくに線、和歌山線などの相互間、御坊駅できのくに線の普通列車同士、橋本駅と和歌山市駅では南海電気鉄道との接続時間がそれぞれ改善され、スムーズな乗り換えが図られます。なお、和歌山線の五条駅始発で早朝に設定されている快速・JR難波駅行列車は、平日の運転区間が王寺駅行に短縮し、大和路線方面へは王寺駅での乗り換えが必要になります。
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