JR西日本は、2021年3月13日(土)に実施するダイヤ改正により、京阪神地区では通勤時間帯の特急列車の拡充や、終電の繰り上げなどを行うことを発表しました。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い「混雑を避けたい」「座って通勤したい」というニーズが高まる中、JR西日本はこれに応えるべく、通勤時間帯の特急列車に力を入れます。これまでも指定席車両の拡大や、チケットレスサービスの充実などソフト面での施策を講じてきました。今回のダイヤ改正では、ベッドタウンとして通勤利用の多い駅が特急停車駅に加えられます。特急列車を利用できる対象者を増やすことにより、「着席通勤」のさらなる普及を狙います。
南草津駅に特急が初めて停車
琵琶湖線では、かつて米原駅発着の特急「はるか」が設定され、現在は運休中となっています。2021年3月13日(土)ダイヤ改正からは野洲駅発着に運行区間を縮小し、上下各2本が再開します。朝時間帯で野洲駅始発となる「はるか9号・11号」は、新大阪駅に8時台に到着する通勤に便利な時間帯に集約されます。
また、米原駅・野洲駅・草津駅を発着する特急「はるか」「びわこエクスプレス」上下各4本の特急列車は、すべて山科駅および南草津駅に停車するようになります。山科駅はこれまで一部の「はるか」が通過していましたが、今回よりすべて停車となります。南草津駅は1994年に開業して以来、周囲に続々とマンション等が建設され、滋賀県内で最も利用客の多い駅となりました。2011年には新快速列車の停車駅となっていますが、特急列車が停車するのは初めてのことです。
新型コロナウイルス感染症の影響で関西空港輸送の需要が低迷し、特急「はるか」は2020年4月24日以降、多くの定期列車が運休しています。今回の改正では定期列車の本数自体が見直され、コロナ禍以前の60本から22本へと大きく削減されます。2020年9月1日以降は運転本数が上下各9本まで減らされており、改正後は各11本へとやや回復されますが、昼間時間帯(京都駅発および関西空港駅発10〜16時台)には引き続き列車が設定されません。JR西日本では、今後利用が見込まれる期間については、車両の増結や臨時列車の運転を行って対応するとしています。
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