【特集】Luupが国内初の「ヘルメット任意」 渋谷・新宿で「電動キックボード」シェア

小型モビリティ関連サービスを展開しているLuup(東京都渋谷区)は、東京都内で「電動キックボード」のシェアリングサービスを開始しました。

「渋谷マークシティ」ポートに設置されたLUUPの電動キックボード(Katsumi/TOKYO STUDIO)
「渋谷マークシティ」ポートに設置されたLUUPの電動キックボード(Katsumi/TOKYO STUDIO)

「電動キックボード」とは?

電動キックボードは、海外では「eスクーター」などの呼称で普及が進んでいる、漕がずに立ったまま走行できる形状をした小型モビリティです。駅などの交通接点から目的地までのラストワンマイルに、労力を使うことなく移動ができる手軽さが人気です。世界各国で市販されているほか、都市部や観光地ではシェアリングサービスが行われています。国内では2021年4月12日(月)、京急グループが神奈川県横須賀市の観音崎でシェアリングサービスを開始するなど、国内でも少しずつ認知度が高まっています。

Luupでは、スマートフォンアプリ「LUUP(ループ)」を用いた「小型電動アシスト自転車」のシェアリングサービスをすでに展開していますが、2021年4月23日(金)17時から新たに電動キックボード100台を貸出ポートに配置しました。ポートの検索、バッテリー残量の確認、ロックの解除、返却、利用料金の決済までの一連の手続きは自転車と同様、すべてアプリ内で行います。

ところで、電動キックボードは現行の道路交通法では「原動機付自転車(原付)」に分類されており、ヘルメットの着用が義務となっています。この規制が普及の妨げになっていると分析したLuupは、同業種3社と共同で、電動キックボードの公道での実証実験の計画を作成しました。この計画が経済産業省により「新事業特例制度」の活用を認められたことにより、国内で初めてヘルメット着用が任意となるかたちでサービスが提供されます。ヘルメット無しで合法的に電動キックボードが利用できることになりますが、安全の観点から着用が推奨されています。

今回の機体は、最高速度が15km/hに制限されることを条件に原付ではなく「小型特殊自動車」の扱いになり、従来から通行可能だった「車道」や「普通自転車専用通行帯」(自転車レーン)のほか、「自転車道」(サイクリングロード)や、「一方通行路」(自転車が双方向通行可の車道)も走ることができます。なお、通行量が著しく多い道路については、安全性の面からLuupが自主的に走行禁止としています。走行が禁止されている道路はアプリ上の地図で確認でき、迂回の参考になります。

一方通行の規制から自転車が除外されている場合は逆方向の通行も可(Serendipity/写真AC)
一方通行の規制から自転車が除外されている場合は逆方向の通行も可(Serendipity/写真AC)

規制緩和されるも免許証は必要

電動キックボードの乗車中はこれまでどおり、運転免許証の携帯が必須です。アプリから運転免許証を登録し、走行ルールの確認テストに「満点合格」することで初めて電動キックボードが利用可能となります。LUUPには対物賠償、対人賠償、利用者自身の怪我が対象となる保険が付帯されています。

ところで、以上に記した規制緩和はあくまで、認可を受けた事業者が行う実証実験に対してのみ適用されるものです。メーカーから市販されている電動キックボードは従来どおり原付扱いとなり、ヘルメット無しでの乗車などは道交法違反となります。警察庁などの関係省庁は、電動キックボードの違法走行に関する取り締まりを強化する方針を表明しており、この違いについては留意する必要があります。

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