JRで初! Visaタッチ決済乗車 JR九州で実証実験 西鉄天神大牟田線でも 福岡3大鉄道揃う

西日本鉄道(西鉄)とJR九州は、福岡都市圏の一部の区間において「Visaのタッチ決済」により電車に乗車できる実証実験を2022年7月から相次いで開始します。

西鉄福岡(天神)駅 北口改札(ni_shi/写真AC)
西鉄福岡(天神)駅 北口改札(ni_shi/写真AC)

福岡市地下鉄で先行実施

タッチ決済に対応したVisaのクレジットカード(デビット、プリペイドを含む)やスマートフォン等をお持ちの方ならどなたでも利用できます。これらを自動改札機に設置された専用読み取り部などにかざすことにより、改札の通過と運賃の精算を行うことができます。大きな手荷物をお持ちの場合でもスムーズに利用でき、きっぷを購入したりICカードにチャージしたりする手間が省けるので、券売機やのりこし精算機の混雑解消にも寄与します。

西鉄の実証実験は7月15日(金)から開始し、福岡観光の中心となる西鉄福岡(天神)駅、太宰府駅など天神大牟田線5駅の相互間の乗車が対象となります。また、JRグループで初めてタッチ決済を導入するJR九州は、7月22日(金)から博多駅〜香椎駅間の鹿児島本線5駅で実証実験を開始します。いずれも2023年3月末まで実証実験が続けられ、利用者の意見を踏まえながら、本格導入に向け対象駅拡大などについて検証が進められます。5月31日(火)から福岡市交通局が地下鉄の一部駅でタッチ決済の実証実験を先行しており、主要3事業者で共通して利用可能になります。

西鉄が導入する自動改札機は、Visaのタッチ決済を用いた通過のみに対応した専用機となります(一部の駅では簡易読み取り機を設置)。一方でJR九州の対象駅には、交通系ICカードとタッチ決済の両方に対応した一体型の自動改札機が設置されます。一体型改札機は日本信号(本社:東京都千代田区)が開発したもので、上記の福岡市地下鉄に続いて全国で2例目の採用となります(対象駅の路線図など詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】西日本鉄道・JR九州 Visaのタッチ決済による実証実験

インバウンドにも期待

両者の実証実験には、三井住友カード(本社:東京都江東区、代表取締役社⾧:大西 幸彦)が構築した公共交通機関向けのプラットフォームが活用されています。決済や認証を担うクラウドシステム「Q-move」を開発するQUADRAC(本社:東京都港区)、タッチ決済の認知プロモーションを推進するビザ・ワールドワイド・ジャパン(本社:東京都千代田区)も参画しています。

西鉄によると、実証実験は国内の乗客だけでなく、今後の回復が期待されるインバウンド旅客の利便性も考えているとのことです。Visaのタッチ決済は世界500以上の公共交通機関に導入されており、世界で広く普及する乗車手段を整備することにより、訪日観光客に便利に安心して旅行を楽しんでもらいたいとしています。