大井川鐵道が全線不通 大規模な土砂崩落も 台風15号被害 冬の「トーマス号」にも影響?

2022年9月23日(金・祝)から24日(土)にかけて東海地方に接近した台風15号による被害のため、大井川鐵道は大井川本線、井川線の全線で運転を見合わせています。

大井川本線で運行している大井川鐵道の蒸気機関車C11形227号機(pi1111i/写真AC)
大井川本線で運行している大井川鐵道の蒸気機関車C11形227号機(pi1111i/写真AC)

暫定ダイヤで代行バス運転

台風が近づいた静岡県や愛知県では雨雲が発達し、線状降水帯も発生しました。特に、静岡県では猛烈な雨が降り続き、記録的短時間大雨情報が多数発表されました。また、複数の地点で24時間雨量が400ミリを超え、平年の9月1か月分の雨量を上回り観測史上1位を更新しました。

この大雨の影響により、大井川本線では神尾駅〜福用駅間において大規模な土砂崩落が発生したほか、複数の箇所で土砂流入や道床流出、倒木などの被害が発生しています。このため、当分の間は金谷駅〜千頭駅間の全線で列車の運転が見合わせとなり、9月26日(月)から開始したバスによる代行輸送の利用となります。

代行バスは2系統による暫定ダイヤでの運行です。1日あたりの本数は「金谷駅〜千頭駅間」が上下各4本、「金谷駅〜門出駅間」が下り4本・上り5本となっています。乗降場所は各駅前が基本ですが、田野口駅については大井川右岸の上長尾集会場に発着します。経由する道路から外れる神尾駅、福用駅、大和田駅および抜里駅には代行バスは停車しません。神尾駅の利用者には、門出駅からの代行バスを利用するよう案内されています。福用・大和田・抜里の3駅については、代行バスが停まる家山駅までを結ぶ連絡タクシーが用意されます。ただし、タクシーには小型車が用いられるため、乗車は定期券を保有している方が優先となります(運休区間と代行バスの路線図など詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】大井川鐵道 台風15号の影響により運転見合わせ

「きかんしゃトーマス号」も運休

一方、トロッコ車両で運行される井川線(南アルプスあぷとライン)も台風被害を受けており、千頭駅〜井川駅間の全線が当分の間、運転見合わせとなります。運転再開のめどは立っていません。井川線と並行する路線バス「寸又峡線」(千頭駅前〜寸又峡温泉間)および「閑蔵線」(千頭駅前〜閑蔵駅前間)については、9月25日(日)始発から運転が再開されています。ただし、交通規制などにより遅れが生じる可能性があるとのことです。

台風被害を受け、「きかんしゃトーマス」をテーマにした大井川鐵道のイベント「DAY OUT WITH THOMAS(TM) 2022」は、秋の最終日となる9月24日(土)・25日(日)の開催が中止となりました。蒸気機関車「きかんしゃトーマス号」をはじめ、「きかんしゃトビー号」「バスのバーティー」についても運転取り止めとなり、購入済みチケットの払い戻し対応が公式サイトで案内されています。

なお、今シーズンの「DAY OUT WITH THOMAS(TM) 2022」は12月16日(金)〜2023年1月9日(月)の間の計20日間にも開催され、トーマス号と仲間たちによる冬の特別運転が実施されます。これについても、運転見合わせが長期化した場合、イベントの実施内容が変更される可能性があるとしています。