関西私鉄の独自コンビニ消滅 南海がセブンと契約 「アンスリー」をフランチャイズ転換

南海電気鉄道傘下の南海フードシステム(本社:大阪市)は、運営するコンビニエンスストアをセブン-イレブン・ジャパン(本社:東京都千代田区)のフランチャイズ店舗に転換します。

南海難波駅構内で営業している基幹店舗「アンスリー南海なんばガレリア店」(Katsumi/TOKYO STUDIO)
南海難波駅構内で営業している基幹店舗「アンスリー南海なんばガレリア店」(Katsumi/TOKYO STUDIO)

1号店は12月オープン

3社はコンビニ店舗のフランチャイズ化についての業務提携契約を2022年9月28日(水)付で結びました。南海グループとセブンイレブンの「双方が協業していくことが企業価値の向上と、地域とお客様の利便性向上につながる」と共同でコメントしています。

転換の対象となるのは、南海フードが展開している駅ナカコンビニ「アンスリー」と、ウォークイン型の駅売店「nasco+(ナスコ・プリュス)」です。セブンイレブンへの転換1号店は、2022年12月のオープンが予定されています。その後も順次、転換を進め、客のさらなる利便性向上を目指す考えです。

大阪府南部と和歌山県北部を地盤とする南海沿線には現在、難波駅、堺駅、和歌山市駅、堺東駅などの主要駅に計15店舗のアンスリーが展開されています。また、難波駅、関西空港駅構内ではnasco+が計3店舗営業しています(店舗分布の路線図、鉄道各社のコンビニ勢力図など詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】南海 グループのコンビニをセブンイレブンのフランチャイズ店に転換

「アンスリー」25年の歴史に幕

アンスリーは1997年(平成9年)、南海に阪神電気鉄道と京阪電気鉄道を加えた関西大手私鉄3社がコンビニの統一ブランドとして手掛けたのが始まりです。コンビニ業界は当時、すでに大手チェーンによる競争が激化しており、後発として参入する3社は同一名称で店舗展開し、認知度を効率的に上げることを狙いました。3社のローマ字表記に共通して「AN」が含まれることから、3つの「アン」でアンスリーとしたのが店名の由来です。3社はその後、仕入れや運営体制の一元化を行うなど、連携を強化してさらなる拡大を目指します。

転換点となったのは、2006年(平成18年)に行われた阪急電鉄グループによる阪神との経営統合です。阪神運営のアンスリーの店名はすべて、阪急系列のコンビニブランド「アズナス」へと変更されました。また、京阪グループの京阪ザ・ストア(本社:大阪市)は2021年12月、コンビニ事業を新業態に転換していく方針を決めました。これにより、京阪沿線のアンスリーは、惣菜や寿司、パンなどを取り扱う品質重視の食料品店舗「もより市」などへのリニューアルが進められています。

他方で、JR西日本はグループで独自展開していたコンビニ「ハートイン」について、2014年(平成26年)からセブンイレブンとの提携店舗へと切り替えています。2021年にはエイチ・ツー・オーリテイリング(本社:大阪市)とローソン(本社:東京都品川区)が業務提携し、阪急・阪神沿線のアズナスはローソンへの看板掛け替えが完了しています。

大手3社による寡占化が進む中、関西で最後まで独自路線を守ってきた南海の動きが注目されていました。結果的に最大手チェーンへの合流が決まり、関西各社の鉄道駅で存在感を示した独自ブランドのコンビニは間もなく姿を消します。

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