茶山駅を4月改称「茶山・京都芸術大学」駅に 叡山電鉄と沿線大学が連携 美装化工事も

叡山電鉄は、叡山本線の茶山駅の名称を2023年4月1日(土)から「茶山・京都芸術大学」駅に変更し、併せて駅のバリアフリー化や美装化の工事に着手します。

「茶山・京都芸術大学」駅への名称変更が決まった叡山電鉄茶山駅(画像提供:叡山電鉄)
茶山・京都芸術大学駅への名称変更が決まった叡山電鉄茶山駅(画像提供:叡山電鉄)

北山杉の丸太をライトアップ

叡山電鉄の前身である京都電燈は1925年(大正14年)9月27日、出町柳駅〜八瀬駅(現在の八瀬比叡山口駅)間に叡山平坦線、現在の叡山本線を開通させました。茶山駅は開業当初から設置されており、間もなく100周年を迎える歴史ある駅です。

叡山電鉄は「歴史ある『茶山』という地名を残しつつ、大学の名称を加え、お客さまにわかりやすい駅名にする」と変更理由を説明しています。

駅名変更を機に、地域のまちづくりとの連携を強めたいとしており、明るく快適で、より安全に利用できる駅を目指して改修が実施されます。バリアフリー対応として出入口にスロープが新設されるほか、車両とホームの段差解消も図られます。

併せて美装化工事も計画されており、駅ホームは個性と温かさを感じられるデザインに刷新されます。従来の鉄骨柱はそのままに、上屋と壁面には地産の「京都北山杉」の丸太を活用した造作が施されます。また、景観の向上のため、間接照明を用いて夜間のライトアップも行われます。

叡山電鉄は京都芸術大学との間で包括連携協定を締結し、沿線地域のまちづくりや、教育・研究・文化力向上を目的に美装化工事を実施するとのことです。2023年5月に着工し、10月に完成する予定です(叡山電鉄の路線図、駅の美装化イメージなど詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】叡山電鉄 茶山駅を「茶山・京都芸術大学」駅に名称変更

“私立”京都芸術大学の最寄駅

学校法人瓜生山学園が運営する京都芸術大学のキャンパスは、茶山駅から東へ約700m、白川通に面した場所にあります。1977年(昭和52年)に京都芸術短期大学の造形芸術学科として開学したのが始まりで、1991年(平成3年)に4年制の京都造形芸術大学が開学しました。その後に短大を統合したのち、2020年(令和3年)に現在の名称に変更しています。

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特徴的なのは、1998年(平成10年)に4年制芸術大学として日本で初めて開設された通信教育部です。毎年、全国から入学の応募を集めており、現在は4学年で1万3千人を超える幅広い年代の方たちが京都発信の文化芸術を学んでいます。

大学の新名称を巡っては混乱を招く恐れがあるとし、京都市立芸術大学が使用差し止めの訴訟を起こしたのが記憶に新しいところです。市立芸大は1880年(明治13年)創設と古い歴史を持ち、「京都芸大」「京芸」の略称で長く親しまれてきました。裁判所の仲介のもと、私立側は名称変更後にこれらの略称を用いず、市立側は引き続き通称として使用できるという合意がなされ、和解が成立しています。